何の経験もないのに、いきなり会社を買って社長になれるわけがない──。
長年会社勤めをしてきた世の中のほとんどの人は、自分が社長になることなど考えたこともないに違いない。しかしこの選択肢は、決して実現不可能な夢物語ではない。今、個人でも会社を買収できる環境が整ってきているからだ。
下図で示したように、日本の中小企業の半分は廃業の危機にある。その約7割は個人企業だ。他方、休廃業企業の半分は、驚くべきことに黒字経営なのである。なぜ黒字なのに廃業するのか。後継者が見つからないからだ。
そこで、親族以外の外部人材に事業を承継してもらうため、会社を売りに出す経営者が増えている。かつてはそうした売り案件の情報は表に出てこなかったが、最近では中小企業に特化したM&Aのマッチングサイトが複数あり、売り手と買い手が気軽に交渉できるようになっている。中にはお買い得な案件もあり、個人が会社を買うチャンスは確実に広がっている。
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