Qonversations Live

CAMPFIRE・家入一真さんが、よんなな会・脇雅昭さんに聞く「官民一体の地域創生の可能性」【前編】

今年6月、「問いをカタチにするインタビューメディア」としてリニューアルした「カンバセーションズ」による公開取材イベント「QONVERSATIONS LIVE」。その記念すべき第1回目のイベントでは、日本最大のクラウドファンディング・プラットフォーム「CAMPFIRE」の家入一真さんが、地方公務員と中央省庁で働く官僚による交流会「よんなな会」の発起人・脇雅昭さんにインタビューを行いました。「官民一体の地域創生の可能性」をテーマに繰り広げられたトークの模様を全3回にわたってお届けします!

「よんなな会」はどのように始まったのですか?

家入:今日インタビューさせて頂く脇さんは、総務省の官僚でありながら、よんなな会を自ら企画・運営されていて、非常に面白い動き方をされている方だなと以前から感じていました。これまでも何度かお会いする機会はあったのですが、いつかじっくりお話を聞いてみたいなと思っていました。僕は仕事柄、社会起業家やソーシャルセクターの方との対談はこれまでにも結構あったのですが、官僚の方とはあまりこうした機会でお話ししたことがなかったし、脇さんも僕のような経営者と対談する機会はそう多くないのではないかと思い、お声がけさせて頂いた次第です。脇さん、今日はよろしくお願いします。

:よろしくお願いします。当初この場は、家入さんが「総務省」の脇にインタビューする企画という形で進められていましたが、まずはじめに断っておくと、僕は総務省を代表することは一切できません(笑)。今日はよんなな会などの個人的な活動をしている脇雅昭として、お話しさせて頂ければと思います。


よんなな会発起人/総務省の脇雅昭さん。

家入:今日はそんな脇さんから、総務省の暗部について色々引き出していくつもりですので、どうぞよろしくお願いします。

:何のための打ち合わせだったんですか!

家入:まずは、脇さんの簡単な自己紹介からお願いできますか。

:僕は宮崎生まれで、家入さんと同じ九州の出身です。2008年に総務省に入り、最初の2年間熊本県庁に出向し、総務省に戻ってきてからは3年ほど人事や法律・制度づくりに取り組み、その後神奈川県庁に出向してすでに6年になります。現在は、観光部というところでインバウンドなどの観光に関する仕事などに携わっています。また、個人的な活動として、47都道府県の国家公務員、地方公務員が交流する場をつくることを目的に、「よんなな会」という会の企画・運営も行っています。

家入:脇さんはもともと大学で法律を勉強されていたんですよね?

:そうですね。進路を考えるにあたって、弁護士か国家公務員かで非常に迷ったんです。最終的に国家公務員を選んだ理由は大きく2つあって、ひとつは法律の限界を感じたことです。弁護士というのは国会で決められた法律に従って、目の前にいる人をどのように救うかを考える仕事なんですね。でも、勉強すればするほど、予め決められたルールの中で人のためになることをするということに限界を感じるようになって。それなら、そもそもルールがどうあるべきかというところから考えていけるような場所で働きたいと思うようになりました。


CAMPFIRE代表の家入一真さん。

家入:脇青年、さすがですね。

:でも、すぐに国家公務員には決められず、凄く悩みました。というのも、僕は6人兄弟の末っ子で、生まれた時には両親が50歳と45歳だったので、親がいつ死ぬかわからないという思いが常にどこかにあったんですね。当時の脇青年は、「国家公務員というのは親の死に目にも会えない仕事なんじゃないか」と勝手に思い込んでいたんです(笑)。そして、同時に「みんな」って誰だろうと思ってました。そんなところで「みんなのために」と言って働いていても、最も身近で具体的な「みんな」である親に何かあった時に駆けつけられないような仕事をしていたとしたら、それは果たしてみんなのために働いていると言えるのかと。でも、これが国家公務員を選んだもうひとつの理由につながるのですが、当時40歳くらいの総務省の方とお話をした時に、20歳そこそこの僕の目を真っ直ぐ見て、「日本を一緒に良くしていこうぜ」と言ってくれたんです。その時に、働き始めてから20年くらい経っても、若者に向けてこれだけ真っ直ぐものが言える仕事というのは、きっと素晴らしいに違いないと思ったんです。

家入:ちなみに、総務省で働きたいと思った人は、どうすれば入省できるのですか?

:まず、人事院がつくった国家公務員試験というものがあるのですが、これに合格すると省庁に面接に行ける権利がもらえるんです。そこで多くの人は自分が行きたい省庁を3つくらいに絞り、面接を受けるという流れになります。


全国各地から公務員や学生らが集う「よんなな会」。

家入:そして、晴れて総務省に入った脇青年は、俺がここを変えてやる! という意気込みで働き始めたというわけですね。

:いやいやいや(笑)。そんなことは思ってなかったですし、そもそも「変える」という言葉自体があまり好きじゃないんです。変えると言ってしまうと、それまで積み上げてきたものをすべて無視するように聞こえてしまいませんか?

家入:それは僕も同感で、「変える」というよりは、気持ち良くアップデートしていきたいと考えています。そんな脇さんがよんなな会を始めたのは、いつ頃からなのですか?

:2011年頃からです。当時、熊本から東京に戻ってきて気づいたことなのですが、総務省には、若手のエースと期待されている各都道府県、市町村の地方公務員の人たちがたくさん出向してきているんですね。僕が熊本に行った時に、現地で色々な人たちを紹介してもらい、そこで現場の声を聞けたことが総務省に戻り、政策などを考える上で非常に参考になったので、思いを持って地方から出てきている公務員の人たちに対して、何か恩返しができないかと考えたことが最初のきっかけでした。そこで、熊本県から出てきている地方公務員3、4人に声をかけるとともに、総務省の同期で僕と同じように全国に散らばっていた20人くらいにもそれぞれ3人くらいの地方公務員を連れてきてもらい、計60人くらいの規模で飲み会をしたのが始まりでした。


「よんなな会」では、参加者それぞれから各都道府県の特産品が持ち寄られる。

家入:僕が知らないだけかもしれないですが、公務員がこれだけ集まるようなイベントというのはそれまでになかったんじゃないですか?

:勉強会のようなものはよくあって、それはそれで価値があるのですが、こういう場に来る人たちというのはどうしても限られてしまうんですね。「よんなな会」では、もっと省庁や課を超えて多くの人たちに集まってもらえる場をつくりたかったので、2回目には吉本興業さんの東京本社を会場としてお借りしたんです。吉本興業で飲み会ができると言ったらテンション上がりませんか? 実際に会に来てくれた方たちはみんなとても喜んでくれて、メチャクチャ良いことができているなという実感もありました。でも、ある時に「次もやります!」と言ってから仕事が忙しくなりすぎて、「やっぱりやめます!」ということになったんです(笑)。その時に、自分では価値があると思って取り組んでいたのに、自分がやめるといったらそれで終わってしまうというのはどうなんだろうと感じたんです。世の中が本当に求めているものなら、自分の意志とは関係なく回っていくはずだし、そういうものをつくらないといけないと。それをきっかけに、それまでは自分が知っている範囲で声をかけていたよんなな会を、いかに知らない人にも届けていくか、伝えていくかということを意識するようになり、そこから規模がどんどん大きくなっていったんです。<続く>


2019年1月27日に、関西初となる「よんなな会」が大阪工業大学 梅田キャンパスで開催予定(公務員、学生限定)。詳しくはこちらから。
[よんなな会 Facebookページ]
https://www.facebook.com/groups/1502192336720896/


インタビューされた人
脇 雅昭(よんなな会発起人/総務省)
1982年生まれ、宮崎県出身。2008年に総務省に入省。現在は神奈川県庁に出向し、国際観光関連の業務等に取り組む。 47都道府県の地方自治体職員と国家公務員が集まる「よんなな会」を主催。 民間企業の経営層はじめ国、自治体の公務員など「誰かのために何かできる」セクターを超えた仲間づくり・人の志と志が繋がるきっかけの場づくりを進めている。

インタビューした人
家入一真(CAMPFIRE代表取締役社長)
1978年福岡県出身。 「ロリポップ」「minne」など個人向けサービスを運営する株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)を福岡で創業、2008年にJASDAQ市場最年少で上場。退任後、2011年クラウドファンディング「CAMPFIRE」を運営する株式会社CAMPFIREを創業、代表取締役社長に就任。BASE株式会社の共同創業取締役を務めるほか、エンジェル投資家として60社を超えるスタートアップへの投資・支援、現代の駆け込み寺シェアハウス「リバ邸」の全国展開なども行っている。 2018年、シード向けベンチャーキャピタル「NOW」を設立。第1号として、最大50億円規模のファンドを組成。生きづらさを抱える人の居場所づくりや、「やさしい革命」を合言葉に、テクノロジーによる社会のアップデートを人生のテーマに活動中。

(次回は11月22日更新予定です)

※イベント来場者による当日のレポートもnoteで更新中です。こちらもぜひご覧ください。

この連載について

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カンバセーションズ

「問いをカタチにするインタビューメディア」として2018年にリニューアルしたカンバセーションズが、時代を牽引するキーパーソンをインタビュアーとして迎え、いま話を聞きたい相手に、徹底的に「問い」を投げかけていく公開取材企画「Qonver...もっと読む

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