先日、NHKで放映予定の「大都会サバイバル」という番組の撮影に、茸本朗さん(cakes「野食ハンターの七転八倒日記」を連載中)と一緒に参加させていただいた。
電気もガスも水道も止まった非常事態の中、どのように生き抜くかという防災サバイバルバラエティだ。
ライフラインが止まった緊急時や、食料の確保が難しいとき、ケガをしてしまったとき、ハイキング中に道に迷ってしまったときなど、野草の知識は意外と役に立つ。
今回は、緊急時に有用な野草を使ったサバイバル術を紹介したい。
山で道に迷ったときの道案内植物!?
こちらの植物を見たことがある人は多いはず。
なんたって人間がよく歩く場所には必ずと言っていいほど生えている。
名前はオオバコ。中央から楕円形の葉が出て四方に広がっている。
オオバコは葉脈に沿って強い繊維があり、踏まれても潰されにくい構造をしている。
なぜ人の歩いた場所に生えるかというと、オオバコの生存戦略にある。
オオバコの種は、水に濡れると膨張してゼリーのようになり、粘着する成分をだす。それが接着剤の役目をし、人の足の裏にくっついて運ばれ、繁殖していく。
オオバコの学名Plantagoも、「足の裏が運ぶ」という意味らしい。
あまり見ないなぁ~と思った人は、公衆トイレの前に行ってみてほしい。多摩川でも、オオバコが一番生えているのは公衆トイレの前だ。トイレの前に生えているオオバコを採集する気にはなれないけれど。
この話を多摩川の公衆トイレの前でよく話すので、友人のPさんは「トイレ草」として覚えてしまったらしい。オオバコの名誉棄損をしてしまって申し訳ない。
オオバコの溜まり場は多摩River(リバー)
ところでオオバコは、山や河で迷ってしまったときに道案内をしてくれるという話がある。
道に迷ったとき、オオバコが多く生えている方へと歩いてみる。
オオバコは、人に踏まれた場所に生えるので、登山道や民家まで続いている可能性があるのだ。(残念ながら行き止まりになっていることもあるので注意)
オオバコは生でも食べられるので、オオバコを食べながら、オオバコの生える道を辿る。迷った時は、オオバコを目印にすると生き延びられるかもしれない。こんな究極の選択のような機会はなかなかないだろうけれど。
オオバコを使った野草料理
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