「安かろう、悪かろうの時代は終わった。今のチリワインのレベルの高さを知ってほしい」
チリ・サンタクルスから来日した生産者は、質のよさを熱心にアピールする。チリやオーストラリア、アルゼンチンといえば、これまでのワイン市場では決して主役にはなれない銘柄だった。
ところがここ最近、それら“南半球ワイン”の成長が著しい。国際ブドウ・ワイン機構(OIV)によれば、1990年代初頭、チリ、オーストラリア、アルゼンチンなどで造られる南半球ワインと米国ワインとを足したシェアは、世界市場のわずか3%足らずだった。それが今や25%を超えているというのだから驚きだ(左図参照)。逆に、イタリアやフランス、ドイツといった伝統的生産国はジリジリとシェアを下げている。なぜ今、新しい“南半球ワイン”の存在感が高まっているのだろうか。
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