ムロツヨシのムロツヨシっぽさ

今回の「ワダアキ考」で取り上げるのは、ムロツヨシ。テレビドラマや映画、舞台、さらにはCMやバラエティ番組などでも大活躍の個性派俳優です。バラエティや情報番組で見せるムロツヨシの魅力について、武田砂鉄さんが考察します。

トップスピードで本題に入っていく

前回、オリエンタルラジオ・中田敦彦について記したが、彼の著書『天才の証明』を読んで初めて知ったのが、「武勇伝」のネタを披露するにあたり、本題に突入するまでの時間をできるだけ短くした、とのエピソード。当初は「オリエンタルラジオです。よろしくお願いします。あっちゃんいつものやったげて!」と始めていたが、途中から「よろしく」を削り、「オリエンタルラジオです。お願いします。あっちゃんいつものやったげて!」とスリムにしたのだという。

確かに、芸人の多くが「どうも、〇〇ですー。よろしくお願いしますー。えー、というわけでね、僕ら、コンビ組んで、もう15年になるんですけどもね……」などと続けていく。そのうち加速して本題に入っていくことがわかっているので、無駄な導入をストレスに感じることはないのだが、そう思えるのは、それなりの年齢の人だけなのかもしれない。とりわけ、リズムネタでは、とにかくトップスピードで本題に入っていくことが求められる。それは、イントロなしでサビから入るヒット曲の鉄則や、視聴者にストレスをかけずに短く切って繋げるYouTuber的な方面とも合致していたのだろう。

俳優の無愛想なトーク

日頃、芸人の深夜ラジオをいくつも聞いているのだが、定期的に放たれる文句の対象に、「FMで繰り広げられる無意味なトーク」と「バラエティ番組に出てくる俳優の無愛想なトーク」がある。前者は「みなさん、秋の味覚、楽しまれましたか? でも、食べ過ぎには注意ですよね」的なトークであり、後者は「番宣で致し方なく出ています、というオーラをいちいち出すんじゃないよ」と感じさせるトークである。余計な時間、つまらない言葉、漠然とした空気をできる限り出したくない芸人からすると、あの手のヌルい様子が許せないのだろう。

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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ppcspink だから!!ムロツヨシが!!!すきだ!!!!と思えるコラム 12日前 replyretweetfavorite