熊本でのトークイベントに登壇してきた。今回は1泊2日の強行スケジュールで、とんぼ返りという状況であったが、やはりそれでも実りはあるものである。出張万歳。
今回ブッキングしてくれた椿原バッキーさん。お世話になりました!
熊本のイベントは今まで回ったどの会場よりも経営者が多くて、その数6割強。質問も具体的でかなり盛り上がった。終了後に交流会の時間が1時間程、設けられていたのもすごく気が利いていて、沢山の方とお話することができてありがたかった。
イベントをやり慣れている方はイベントで呼ばれる人の気持ちをよくわかっている。気遣いがすごく嬉しくて、自分がイベントをやる時に参考にしたいと感じた素晴らしいイベントであった。ブッキングしてくれたバッキーさん、みなさん、本当にお世話になりました。ありがとうございました!
朝ごはんに差し入れてもらったサンドイッチに添えられた手紙に泣いた。おいしかった。
ペルソナを立てた「ものの売り方」は通用しなくなる
「わざわざではペルソナは立てていますか?」
さて、1時間半の講演が終わり、質問タイム。広告代理店に勤めているという方からの質問で、みなさんが既に想像するようにバッサリ切り捨ててしまったのだが、振り返って改めて答えてみたい。
ペルソナとは?(平田の解釈)
マーケティング用語で、自分たちの商品を誰に当てて作り、売るか?ということをより具体的に考えるために立てるターゲットのことである。30代女性、子供が一人いて都心のマンションに住み、カフェ巡りが唯一の息抜きで、読んでいる雑誌はリンネル等とより具体的にターゲティングすることがよいとされている。
実はこのペルソナという言葉を知ったのはごく最近で、一年程前の沖縄で、取引先である育陶園さんの宴会に参加した時に教えてもらった。ペルソナをどうやって立てるか?という話で盛り上がっていたところに、私が「ペルソナって何ですか?」と聞くと、会場にいた全員が「えぇぇぇっぇぇ——!!ペルソナ、平田さん知らないんですかぁ——?!」と驚愕するという事件で、その場所にいたコンサルの方など全員で丁寧にペルソナをレクチャーしてくれるということが起こったのだった。
とまぁ、知らないことは素晴らしい。ペルソナという概念を知ったとしても、今更作ろうとも思わない(笑)。そして、知った直後に、これからはペルソナを立てない事業戦略が必要なのではないか?と話をしたのだった。
さて、質問をくれた彼にも私は同じことを話した。結局、ペルソナを立てるという手法に囚われていないか?と問いたい。何かを売りたい→誰に売るか?→ペルソナを立ててものを作る→ペルソナがいそうなレイヤーに広報する→購買につながる。というものの売り方を考え直してほしい。そんな売り方はつまらないし、ただのお金とものの交換をする単純な購買でしかない。
ものが欲しい人を探して売るやり方はこれから衰退してくだろう。このやり方をするならば、海外進出し、まだ足りていない地域に供給していくしかない。日本国内でものを売りたいと思うのならば、やり方は変えていかねばならない。高度経済成長はもう二度と来ないし、マーケットイン志向でものづくりをしてもこれまで通り売れることはないだろう。
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