第8回】業種・職種の垣根を越える “ポータブルスキル”を磨け

大企業に属するホワイトカラーの人余りが深刻化しそうだ。労働市場からはじき出されないために、そして、納得のできるキャリアチェンジを成功させるためには、どう自衛するべきなのか。

 名古屋市に本社を置く、自動車部品メーカーのナゴヤパッキング製造は、主としてトヨタ自動車向けに内装部品を納める、国内外を合わせて従業員250人という中小企業だ。

 日本、中国に加えて、タイへ生産拠点を拡大したばかりで、事業拡大の波に乗る同社にとって、優秀な人材獲得は喫緊の課題になっている。大企業の勤務経験がある人材は喉から手が出るほど欲しく、ミドル世代も含めた中途採用を積極的に行っている。


 最近では、大手半導体装置メーカーで品質保証業務に10年以上従事していた専門家(48歳)を採用した。同社では、採用基準として三つのスキル「グローバル・リテラシー」「事業成長・修羅場経験の豊富さ」「即戦力スキル」を挙げている(上図参照)。

 

 「すべて備えている人を採用するのは至難の業だし、採用コストも高い。実は、専門知識などの即戦力スキルは入社後に育成可能なので、グローバル・リテラシーや事業成長・修羅場経験のほうを優先する」(小寺一輝・経営企画室長)という。

 半導体産業の出身者を採用したのも、即戦力のみを重視したからではない。得てして、大企業からの転身者は、前職の商習慣を引きずり、新天地でもそれを押し付けようとするものだ。
 だが、「彼は専門性があるだけでなく、大企業時代の既成概念を捨てて、設備・ノウハウが乏しい中小企業でも、ゼロから部下・同僚を巻き込んでやり抜く力に長けている」(同)ことが決め手だった。

 業種・職種の垣根を越えて、どの仕事でも通用する汎用スキルを“ポータブルスキル”という。

 中小企業が求める人材ニーズは、必ずしも専門性だけではなく、大企業経験で培った「やり切る力」「部下や顧客の共感を呼ぶ力」といった“ヒューマンリソース”(人的資源)が重要視されることが多いのである。
 「中小企業でも、中高年の活力を起爆剤にしてグローバル企業と互角に戦いたい」(同)

 

年収200万円減でも
しがみつくよりマシ

 “万年担当部長”に居座ることをやめて、年収より、やり甲斐を求めて転職に踏み切った人もいる。

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