第5回】 サービス業への産業シフトで男は仕事喪失、女は雇用創出

電機産業の凋落と自動車産業の海外シフト加速により、製造業の雇用吸収力は低下しつつある。製造業からサービス業へ。産業の主役交代は男性の雇用機会を奪うことになりそうだ。

 「シャープの高級電子レンジ『ヘルシオ』の開発者を一本釣りできないだろうか」

 今年に入って、ある人材サービス会社に1本の電話がかかってきた。依頼主はアジア系電機メーカーの人材仲介業者。昨年末、シャープは募集人数の5割増しに相当する、2960人の希望退職に踏み切っており、そのタイミングが狙われたのだ。くだんの人材サービス会社の顧客リストには、シャープ出身者が多数含まれていたが、ヘルシオの開発者はいなかったため、人材仲介は“失敗”に終わった。

 かつて旧三洋電機(現パナソニック)が経営危機に陥ったときにも、中国・台湾などアジアメーカーが三洋電機を“草刈り場”と定めてヘッドハンティングを行った。そして、多くの白物家電の開発者が海を越えた。当時と異なるのは、「アジアメーカーの人事担当者の経験値がぐっと上がり、日系電機メーカーの開発者ならば誰でも根こそぎ欲しい、というスタンスではなくなったこと」(電機メーカー幹部)だ。

 本当に欲しい製品や基幹デバイスの開発者、量産技術に長けた生産技術者、あるいは企画部門のマネジメント層など、人材を厳選して採用するようになっている。

    電機メーカーの開発者といえば、難関大学の博士・修士課程を修了したエリートぞろい。理系“最高峰”の就職先として電機メーカーが選ばれていた。だが、近年の雇用調整に聖域などない。家電製品のライフサイクルが短縮化したり、製品・基幹デバイスそのものが陳腐化したりする中、博士号や修士号を持つ者でも、リストラ対象に含まれるようになっている。

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”仕事消失時代”に生き残るビジネスマン【2】~スキル陳腐化、産業構造の変化の中で

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能力やスキルの陳腐化、サービス業への産業シフト、事務作業のIT化、トップ級外国人との競争激化などがどうビジネスマンを直撃しているのかに迫った。

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