ここまで読んで、どう思った?
もしかしたら、「特別な才能があるからできること」「普通じゃない、ぶっ飛んだヤツのエピソード」なんていうふうに感じた人もいるかもしれない。
たしかに、僕には野球選手としての恵まれた素質はあったと思う。 でも、素質だけなら、僕よりもっとすごい人はいたよ。
僕がプロ野球の世界で成功できたのは、「自分が得意なことは何か」「自分が他の人よりも優れているところは何か」を考えに考えて、そこに集中して、人一倍の努力を続けたから。
バリー・ボンズみたいにホームランをガンガン打てるパワーと打撃センスはなかったけど、自分が「肩」と「足」と「守備」という、圧倒的な武器を持っているのは知っていた。
だから、そこだけは誰にも負けたくなかった。 前にも話したように、僕は人が見ていないところで、ものすごく努力していた。それをわかってもらえると、とても嬉しい。
ただ、それだけじゃ、日本やアメリカで「スーパースター新庄」と呼ばれるだけの活躍はできなかったとも考えている。
どんなに才能に恵まれていても、誰よりも努力しても、やっぱり活躍できない選手がいる。
ものすごい才能を持ったドラフト1位の選手が、一生懸命努力したのに、まったく活躍できなくて、そのまま選手生命を終えることだってあるんだ。
じゃあ、成功できるかできないかを最後に分けるものって、何だろう?
僕はそれを「運があるかどうか」だと思っている。
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