「ブラック企業だ!」。SNSにこうしたコメントが溢れ、“大炎上”したNHKのドキュメント番組がある。2016年に放映された「中国人社長がやってきた 伊豆修善寺“温泉ホテル”の9カ月」だ。その内容は、中国の旅行会社が赤字続きのホテルを買収。現場のトップに中国人が就き、新たな経営方針に従業員が悪戦苦闘する姿を追ったものだ。
ホテルは中国人団体客を受け入れることで再建を図る。土産物担当者は月5万円以上の売り上げアップ、レストラン担当者はランチ営業の開始などのノルマも命じられた。
こうした改革に伴い、現場では長時間労働が慢性化。業を煮やした接客責任者が改善を求めて辞表を提出する。ところが新トップは「もしホテルに残りたければ清掃のパートとして1カ月働いてもらう」と通告。結局その責任者は退職し、続いて5人の従業員がホテルを去った。そして本社から若い中国人が送り込まれる場面で番組は幕を閉じる。
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