子どもは島の希望
翌日、これまた暇である。毎日診療所にお邪魔するのは申し訳ないので、今日は診療所の道向かいの公園でボーッとしてみるコトに。
診療所の対角(つまり、公園の道向かい)には小宝島小中学校がある。校舎からジャージ姿の先生が2~3人出て来て、道路のコンクリート(アスファルトではないのが離島らしいポイント)に石灰が入った赤いライン引き機でコロコロと線を引き始めた。聞けば、これからスポーツテストを行うのだそう。学校のグラウンドが小さいので、50メートル走は外の道路を使うのだ。え、車?ほぼ通りません!なのでまったくもって安全♪
近くの家から子どもたちの親が数人、様子を見に出て来る。体操着に着替えた子どもたちも校舎からわらわらと集まってきた。いやいや、これは驚き!こんな小さな島なのに10人ほども子どもがいるではないか。が、よくよく聞くと、ほとんどは学校の先生の子どもたちで、本当の島の血を継ぐ子は2人ほどなのだという。
トカラ列島の小中学校の先生は、みんな鹿児島県から数年間赴任する。その際、たいていは小中学生の子どもをもつ先生が家族連れでやって来る。なぜなら島の小中学校を存続させるため。通う子どもがいなければ、島の小中学校は廃校になってしまう。学校がなければ、子どもの小学校入学とともに家族一同、島から出てしまい、それっきり島に帰って来ない……というコトも。そうすると、島民全離島※4にもなりかねない。
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