夫婦の性格と育児の性質を比べてみると…
2016年の子ども達の様子。長女が昼寝をさせ一緒に寝てしまった。
うちには子どもが二人いる。私のやったことはほぼ「産んだだけ」で、今は殆ど子育てに参加していない悪い母親である。長女が12歳、次女が3歳。長女が2歳の時に開業しており、当時、夫はサラリーマンで海外出張も多く、長女が小学生低学年までは所謂「お母さん」であったとは思う。料理が好きで休日にはお菓子を焼いたり、張り切って掃除をしてみたり、自分自身も家族中心の生活を求め、喜んで「お母さん」をやっていた節はある。
変化があったのは次女が生まれて、夫が会社を辞め「わざわざ」に入ってきてからだ。夫婦が共に自宅にいる。この状況は家族の形を一変させた。当初は仕事・家事・育児を分担して、できるだけ均等にやろうと思っていたのだが、どうしてもうまくいかない。得意なことはお互い違うのに、仕事が忙しい時も敢えて均等にしようとして失敗したりした。
夫はとても几帳面な性格で忘れ物も少なく、スケジュールもしっかり守るし、納期だってばっちり守るタイプ。私は物事に固執して几帳面になる時もあるが、殆どのものに興味がなく、やりたい時にやりたいことをやるだけで、24時間働いたと思えば、10時間くらいポンコツになることもある。料理や家事は好きだが、やったりやらなかったりでムラがある。経営については私の方が得意で、夫はどちらかというと決められた仕事をきっちりこなすことが得意なタイプ。性格はまるで正反対なのである。
一方、小さい子どもはとても規則正しい生き物だ。朝起きてご飯をしっかり要求し、保育園に行き、帰ってくるとおやつを要求し、遊び、ご飯を食べ、お風呂に入って、寝る。その全てに親の手が必要であるし、毎日きちんとお世話をしないと、ものすごく機嫌が悪くなる。今日は気分じゃないから付き合えないとかはありえない。いつだって子どもが一番でないといけないし、私たちなしでは生きられない、まだまだか弱いかわいい子である。
夫婦の性格と育児の性質を比べてみると、夫の方が向いていることに気づいたのが去年の終わり頃。私は仕事、夫は家事育児と分担を大幅に変更したのが、今年のはじめで、ここから平田家のしくみはどんどん変化をしていった。
お母さんはお父さんで、お父さんがお母さん
家族の後ろを歩きながらいつも写真を撮っている
こないだ、出張があまりに多すぎて長女に「うちのお母さん、あんまり家にいなくてごめんね」と言ったら「えっ? 自分のことお母さんだと思ってるの?」と驚かれた。「うちはお母さんがお父さん、お父さんがお母さんでしょ? かーかはお父さんなんだから、家にいないものだよね。」と納得顔で長女が言う。
二人で笑ってしまったが、なるほどそうやって子どもは状況理解をしていくのだと面白くなった。長女にとっては「らしく」振舞うことが、大事なことではないということだと思う。人間としてきちんと向き合ってさえいれば、それを自然に子ども達は受け入れていくのだ。
長女の趣味の一つでもある料理。
長女も家事育児に参加する。小学校から帰ってきたら、お風呂洗いとお米研ぎは彼女の仕事だ。言われなければやってくれないこともあるが、それでもやってくれることにありがたいと思う。次女の面倒もよく見てくれてとても助かっている。最近は、料理が趣味になっているようで、毎週末にケーキやクッキー、カップケーキ等、様々なものを作っている。
料理は実験でもあるようで、片栗粉・葛粉などでレシピを変えて同じようなものを作り、味を比べたり、メレンゲに様々なものを混ぜて焼いてみたり、かなり独創的なものを作っている。最近はお餅に凝っているようで、餅を作りたいからもち米を買ってくれと直売所で夫にねだったらしい。もち米を毎朝浸水させて小学校に行き、帰ってくると蒸して、すりこぎとすり鉢でひたすら餅つきをしている。あの子はどこに向かっているのだろうか。笑。
こういう風にやりたいことを見つけた人には、私たち夫婦は全面的に応援する方針をとっている。勝手にやりたいだけやることが一番いいと思っているので、一切口出ししないで、むしろ応援する。お菓子のレパートリーを増やしたいので本が欲しいと言われれば、図書館に連れていき、放っておくと色々な本を借りてくる。
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