晩酌歳時記

第二十回・茄子

好きなお酒はビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウィスキー、ラム、ジン……お酒に対しては博愛主義者の佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。自宅で茄子を揚げていたら、油はねで手に水ぶくれができてしまいました。それでも茄子が好き。

 きっかけは多分、母親がよく作ってくれた「茄子とピーマンの揚げ醤油」。茄子とピーマンを素揚げして醤油をかけるだけという、いたってシンプルな料理ですが、茄子、ピーマン、茄子、ピーマン、と食べ進めて、最後は必ず茄子で終わるように調節している自分に気がついた時、私は茄子が好きなんだな、と自覚しました。天ぷらにしろ麻婆茄子にしろ、油を吸った熱々の茄子をジュワッと噛みしめるのって最高ですよね。
 漬物に初めて執着を覚えたのも、茄子でした。キュッキュとした歯ざわりと独特のアクが私好み。ご飯のおともにはもちろん、辛子と醤油をちょいちょいつけるとお酒も進みます。当然のことながら、焼き茄子も好物。皮を焦がしてから氷水につけて皮を剥くという、回りくどい調理法。時には指先を火傷しながら、なぜそこまでするのか。フニュフニュの食感を満喫するためです。あのスポンジ、味噌汁とか煮物にもいいですよね。
 そんなわけで、某ママさん雑誌で子供の嫌いな野菜トップ3に茄子がランクインしているのを発見した時は、目を疑いました。ピーマンは私の周りでも嫌われものだった、椎茸は大人でも嫌いな人を二、三人知っている。しかし茄子、よもや茄子がそんなに嫌われていたとは。

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晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

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コメント

IAmemiya 茄子の嫌われている理由に泣けました。ところで原稿内で触れられている茄子の揚げたやつ、一口食べた瞬間から笑いの止まらないうまさでした。 5年以上前 replyretweetfavorite