◆登場人物は、その世界で「生きている」
そもそも、小説はフィクションであって現実ではない。虚構の世界を楽しむために、読者は小説を読むのだ。現実世界で起きている出来事を事細かに知りたいのであれば、新聞やノンフィクションを読めばいいのであって、小説を読む必要はない。
よくいう「世界観」というのは、奇抜な設定を競うためのものではなく、小説世界をきっちりと作り上げるためにある。
どんなに特殊な世界でも、描かれている世界に真実味があり、その世界の中で辻褄と整合性がとれ、人々の息づかいが感じられ、そこに感情移入して、一緒に泣いたり笑ったりできるのであれば、そこは確かに「存在」する世界だし、充分に「リアリティ」を持つ。
だから、小説を書く際に注意して欲しいのは、
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