チェルノブイリで見たものは【後編】

旅する評論家・東浩紀さんによる連載放談。今回はチェルノブイリへ取材に行ってきました。1986年の事故から27年が過ぎた今、すでに風化が始まりつつある現地で、著者が見たものとは。「情報への欲望」つまり「検索の欲望」と身体の関係について。
"自分" や "目的" 探しではなく、新たな "検索ワード" を探す旅へ——。PR誌「星星峡」(幻冬舎)で人気を博する連載が、ついに検索できるようになりました!

検索を欲望させる

 といったところで連載の主題に戻りますが、これはネットについても同じことが言えます。

 今後は、記憶容量の制限が事実上なくなり、とにかくあらゆるものがデジタル化され、無限に近くストックすることができるようになるはずです。ライフログとかビッグデータとかいった話です。公的機関も今後はオープン化が進み、議事録から内部資料からなにからなにまで、莫大なデータが公開されるようになるでしょう。興味さえあれば、今後はだれでもあらゆる情報にアクセスすることができるようになるわけです。すばらしいといえばすばらしい。

 しかし、そうなってくると、今度はその膨大な情報が「本当に見られているのか」が重要になってくる。ネットの情報は、辿り着くためにはまず検索ワードを打ち込まなければならない。「その情報が見たい!」と欲望するひとがいなければならないのです。いくらデータベースを公開しても、公開された情報をだれも欲望しないのでは意味がない。あらゆる情報がネット上でストックされるこれからの時代においては、「検索の欲望」をどう喚起するか、そこが重要な問題として浮上してきます。

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検索ワードをさがす旅【第2期】

東浩紀

検索すればあらゆることがわかる時代。日々たくさんの情報に埋もれているけれど、果たして本当に欲しい情報はなんなのか。その検索ワードはどこから思いついたのか。テーマはズバリ、「若者よ、スマホを持って旅へ出よ」。ただし、自分や目的を探すので...もっと読む

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コメント

youme2525 欲望は現場で生まれ、消費されるもの。検索はその欲望の客観性を準備し、必然性を脚色する。 4年以上前 replyretweetfavorite

d1976dec16 現場にあってこその気づき。「その気づきは(…)その現場の写真を撮っていなければそれだけ強烈な思いは残っていないのだ」とは、フォトジャーナリスト宇田有三さん @udashan 。 4年以上前 replyretweetfavorite

Shige_Onz 「 膨大な情報が「本当に見られているのか」が重要になってくる」ってのは結構他の色々な事に共通のテーマだよなと。違うセンスが必要つか。 4年以上前 replyretweetfavorite

1R0NA 購読手続き完了!読む♪  4年以上前 replyretweetfavorite