週刊ダイヤモンド
#17 華麗なる一族も一寸先は闇 同族がはまる五つの落とし穴⑤<裸の王様化>
オーナー企業を待ち受ける落とし穴は数知れない。しかも落ちたら最後、這い上がるのは難しい。華麗なる一族の凋落の裏には、人間のエゴや欲望が渦巻いている。
【タカタ】
進言なきイエスマン組織 破滅の道を誰も止められず
負債総額が1兆円超に上ったエアバッグ製造、タカタの破綻は、トップが道を誤った際にブレーキをかけることが難しい同族経営の弱みがもろに出たケースといえる。
タカタの悲劇の本質は、企業の成長が早過ぎて、オーナー社長に直言できる人材の育成が追い付かなかったことにある。
同社は当初、シートベルトを製造していたが、二代目の高田重一郎社長がエアバッグに手を広げた。取引先もホンダを筆頭にトヨタ自動車、独BMWなどに拡大。2000年代は世界的な優良サプライヤーとしてわが世の春を謳歌した。
だが内実は、製品の複雑化と急速な成長に、キャパシティーが追い付かなくなっていた。
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この連載について
週刊ダイヤモンド
「バブル相場」「AI格差」──。本誌が最近組んだ二つの特集の取材で、共に鍵を握る存在として挙がったのが、オーナー社長だった。バブル相場では日本市場を左右する外国人投資家が評価する存在、AI格差ではAI革命に積極的に対応する存在としてだ...もっと読む
著者プロフィール
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