サンマの塩焼きはサンマ自身の脂で焼け!

食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。19回目のテーマはいまが旬の『サンマの塩焼き』です。魚焼きグリルでなくフライパンで、脂がのったすっきりした味わいのサンマの塩焼きをつくります。サンマのはらわたを利用した肝醤油のつくり方も併せてご紹介しています。

 秋はサンマの季節。昔は日が暮れてくると家々の路地からはサンマを焼く煙が流れていた、と聞きますが、今では魚を焼く煙はすっかり嫌がられるように。そこで今回はサンマをフライパンで焼く方法をご紹介します。ほとんど煙を出さずに焼ける、現代的な方法です。

 サンマを焼くポイントは加熱を最小限、短時間に抑えること。長く焼くとサンマのおいしさである脂肪分が流れ出て、身がパサパサになってしまうからです。このポイントを踏まえて、いくつか工夫をしていきます。


サンマの塩焼き

材料(2人前)

生サンマ  2尾
塩     適量
大根おろし 適量
スダチ   1個


 まずはおいしいサンマの見分け方から

 サンマはなるべく大きいものを選びます。身も蓋もないことを言うとサンマの味は値段に比例し、大きいものほど脂が乗っています。よく「クチバシが黄色い方がいい」と言いますが、この時期のサンマのクチバシはみんな黄色がかっているので判断の材料にはならないかもしれません。


1.包丁を立ててサンマの表面をこすり、鱗を落とす。

*魚を扱う基本の一手間
 魚を扱う基本を確認しておきましょう。まな板は濡れ布巾などで拭き、表面を湿らせておきます。こうすると魚の臭いがつきづらいです。
 サンマは鱗がない魚と思われがちですが、この時期に流通している生サンマには鱗が残っていることがあります。きちんと確認し、残っていたら除去することが重要です。


2.サンマの頭を持ち、腹を下にしてまな板に立てた状態で、写真を参考に頭のつけねあたりに中骨まで包丁を入れる。中骨が切れたら、頭を引っ張ると内臓が抜ける。

*サンマのつぼ抜き
 炭火や魚焼きグリルであればはらわたまで上手に焼けますが、フライパンの場合は鍋肌に接している面からしか加熱されないので、内臓の水分を飛ばそうとすると身に火が入りすぎてしまうリスクも。
 そこで思い切って、この場合ははらわたを抜きます。
「サンマははらわたが旨いのに」
 という声が聞こえてきますが、はらわたを食べたい派の方には活用法を後述します。この頭の部分を引っ張って内臓を抜く方法を「つぼ抜き」と言います。細長い魚全般に使う手法なのでマスターしておきましょう。


3.サンマの表面とお腹のなかを水でさっと洗い、キッチンペーパーで水気をふきとる。

*魚の味をすっきりとさせる水洗い
 魚の頭を落とし、内臓を抜き、魚を洗うまでの工程を「水洗い」といいます。表面のぬめりを落とし、血を洗い流して生臭みを減らす効果もあります。この時、腹から割り箸を入れると、中骨に沿ってある血合いの部分が簡単に洗えます。
 もちろん、水につけておくと魚が水を吸ってしまうので注意が必要です。手の温度で温まらないように手早く扱いましょう。


4.サンマの尾を切り落とし、フライパンに入る大きさ(今回は半分に)に切る。

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樋口直哉

巷にはさまざまな食の情報があふれています。そのなかには昔は正しかったけれど、現在では正しくないものも。noteでも大人気の料理家、樋口直哉さん(Travelingfoodlab.)が、科学に基づいた「おいしい料理をつくるコツ」をご紹介...もっと読む

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コメント

socococo_soto これは今日根室の生 4ヶ月前 replyretweetfavorite

feilong 2件のコメント https://t.co/YZdBb4eb4x “22694” https://t.co/DbEVRXKi6Y 4ヶ月前 replyretweetfavorite

feilong 2件のコメント https://t.co/YZdBb4eb4x “22694” https://t.co/DbEVRXKi6Y 4ヶ月前 replyretweetfavorite

yutoma233 肝醤油とは…!とっても丁寧な 4ヶ月前 replyretweetfavorite