思いを強くしたカンボジア
大学を卒業してから、大学院に進学しました。そこで、大学院のプログラムの一環で、カンボジアに行く機会がありました。カンボジアといえば、昔たくさんの人が殺され、国が大変なことになった、ということはなんとなく聞いたことがありました。でも、カンボジアで目の当たりにしたものは想像以上でした。
カンボジアでも物乞いをする人々に遭遇しました。でも今度は子どもだけではなく、地雷で腕や足を失った人もいました。手や足がないのに、道ばたで楽器を演奏し、通りゆく人にお金を求めていました。地雷で手足を失った人がこんなにたくさんいるのか、と。
ある日、立ち寄ったお寺の横に、空き地がありました。その空き地には、「Danger!(危険!)」と書かれた赤い看板。「これは何?」と聞くと、「地雷だよ。まだ除去しきれていないから立ち入り禁止なんだ」と言われました。「悪魔の兵器」、地雷。あえて人を殺さずに、足などを奪うことにより、その国の戦闘能力を弱める悪魔の兵器。その地雷が町の中心部からさほど離れていない場所にあるなんて……。
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