複業したいときに読むべき、おかざき真里の「複業OL漫画」

複業ブーム? が来てますね。4年ほど前に連載を終えたとある漫画が、すでに「複業」をテーマに傑作を生み出していた! そこにはどんな未来が予知されていたのでしょうか。仕事をもう少し頑張りたい人、複業や起業を迷っている人、ていうか人生に迷っている人、みんなにおすすめしたい漫画です。
『人生を狂わす名著50』
著者による、濃厚な書評エッセイ。

 にわかに複業ブームであるようです。
 複業というとなんだか響きがかたいですが、インターネットやら週末やら、使えるものはなんでも使って稼いでこうぜ! という空気は確実に強くなってきたように思います。ひとつの会社に所属するだけなんて~って言われることもありますね。
 しかし今から4年ほど前に連載を終えたとある漫画が、すでに「複業」をテーマに傑作を生み出していたのですよ!


『&』全八巻 おかざき真里(祥伝社)

『サプリ』や『阿・吽』で有名な作者による、複業OLさんが主人公の女性漫画です。
 主人公は、医療系事務の仕事をするかたわらで、ふいにネイルのお店を始めた26才。ネイルは好きだし得意だったから始めたものの、「思いつきで起業するなんてすごいね」「年とってネイルの仕事なんてできない」「きちんと利益は出せるの?」「お店持たせてもらってるんじゃないの?」「彼氏つくる方が先じゃないの?」などなど、あまりにもまっとうな世間の言葉にさらされてゆきます。
 いや~~~~世間の声っていつも正しいよね~~~~~。わたしは主人公を応援しつつ、しかし周りの人が心配するのも理解しつつ読んでしまいました。世間、あまりにも正しい。わかっちゃいるんだ。

「今の仕事一生するの?」
触れたかっただけなのに 未来のないものばかり集めてしまう(『&』4巻より引用)

 起業や複業って、キラキラしてて、すごいことで、周りから応援してもらえて、自分の才能を開花させられる。
 ……なんてことは現実にはそんなになく、きっと自分だけの仕事の進め方を見つけるというのは、「この仕事を続けてゆくのか?」という疑問が常についてまわるんですよね。
 人と一緒に仕事をしていれば、働き方なんてあまり考えずに済むし、ペース配分やタイミングもある程度効率よく回せるのだけど。自分だけの働き方を見つけるのは、どうしたって不安と心配がつきまとう。

「中途半端」とか「将来がない」って言われてしまうときもある。だけど実際その通りで、その先に何があるかなんてわからないのに、そして失敗したり間違ったりしても人生はそこで終わるわけじゃないのに、「未来のない」ものが自分のやりたいことだったりする。
ダメだったら辞めればいいって言っても、辞めた先でもなんとかしていかなきゃならないし。
 生きてると、リスクばかりが増えていくように思います。

 だけど、

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& 1 (Feelコミックス)

おかざき 真里
祥伝社
2010-11-08

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三宅香帆の文学レポート

三宅香帆

『人生を狂わす名著50』(ライツ社刊)著者、三宅香帆による文学レポート。  ふと「いまの文学の流行りをレポート」みたいな内容を書いてみようかなと思い立ちました! なんとなく、音楽や映画だと「ナタリー」みたいな流行をまとめる記事っ...もっと読む

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コメント

shigekey "仕事も恋愛も、未来がある、ない、なんて簡単に言ってしまえる世の中ですが。あなたの未来がハッピーエンドかどうかなんて、絶対に誰にもわからないから。"| 12ヶ月前 replyretweetfavorite