桃山商事の恋バカ日誌

恋人未満のザワつきを楽しむ!? フラートという男女関係

「失恋ホスト」として数々の恋愛相談を受けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」の3人が、新感覚の恋バナ談義を繰り広げるこの連載。今回からは、「フラート」という言葉で表現される男女のコミュニケーションについて考えていきます。「恋の戯れ」とも訳されるフラート、一体どういうものなのでしょうか?

心身のザワつきを楽しむ恋愛的コミュニケーション

【登場人物】

清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業

森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員

ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員

清田 桃山商事の恋バナ連載、10月は「フラート」について話していきます。「フラート(英語でflirt)」は多くの人にとって聞き慣れない言葉だと思うのですが、日本語では「恋の戯れ」と訳されることが多いようです。って、奥歯に物が詰まったような言い方になるのは、ちょうどいい訳語が日本語にはないんだよね。

森田 友達以上恋人未満のどっちともつかないドキドキする関係や、合コンやバーで初めて会った相手とその場でいい雰囲気になること……そういうのが典型的なフラートなのかなと。具体的な行動としては、視線のやり取りとか、ちょっとした接触とか。我々のPodcast番組・二軍ラジオでこのテーマについて扱った回では、「微量なエロス」を含むコミュニケーションだという説明も出てきた。

ワッコ 「微量」だから、がっつりセックスしてる関係はフラートではないんですね。まあ、それはセフレか。

清田 これは『官能教育』(幻冬舎新書)という本の中で紹介されていて、我々もそこで知ったんだけど、恋愛の途中段階や恋人へのステップみたいなものではなくて、相手とのやり取りやその瞬間のドキドキ自体を楽しむっていう感覚みたいだね。セックスをするわけでもないし、名前もついていない宙ぶらりんな関係だから、「え?これってどういうことなの?」みたいな楽しさもあるのかも。

ワッコ ザワってことですかね、ザワ。

清田 なるほど、そういう感覚に近いものかもね。心身のザワつきを楽しむ的な。フラートの訳語は“ザワ”という新説(笑)。

森田 ただ、ぴったりした訳語がないだけで、日本でもフラートな関係自体はごくありふれたものだと思うんだよね。

ワッコ わたしはまだその感覚、よくわからないですねー。

清田 実は俺も、二軍ラジオの放送回から5年経った今もピンときてない。頭では理解してるつもりなんだけど……。

森田 前から気づいてはいたけど、二人はフラート弱者なんだよなあ。

ワッコ そう言う森田専務はフラート強者なんですか?

森田 いや、ごく平均的なフラート経験者ではないかと。きっと読者のみなさんのなかにも「ピンときてない」人がいると思うので、まずは具体的なエピソードから紹介していきたいと思います。

ワッコ フラート弱者にもわかるようなのをお願いします!

信号待ちで突然、腕をつかまれて……

森田 これは我々のニコ生番組の常連投稿者「いつもの先輩」が提供してくれたエピソードで、その昔、会社の受付女性数人と、先輩と同僚とで飲み会を開催したときの話です。

ワッコ 受付女性と飲み会って、バブル感があって華やかですね。

森田 時代を感じるよね。ただ、基本的にごく健全な飲み友達みたいな交流だったみたい。その日の話に戻ると、先輩が最寄りの駅からお店に向かう途中で信号待ちしていたら、いきなり後ろから腕をつかまれたんだって。びっくりして相手を見たら、受付の女性の一人だった。

清田 何なんだそれは!?

森田 それで、そのまま腕を組んで歩いたらしい。

ワッコ 腕を、くんで…あるいた、んですか……?

森田 なんでたどたどしいんだよ(笑)。その後、お店の前で同僚を見つけてパッと腕を離したとのことでした。

清田 まじか。

森田 飲み会ではお互いごく普通に振る舞い、その後も特に何も起きなかったんだって。これは典型的なフラートだと思うんだよね。

ワッコ はあ……。

清田 その女性は、普段は会社の受付にいるわけでしょ? 付き合ってるわけではないんでしょ?

森田 だから、単なる飲み友達だって。落ち着いてくれよ(笑)。

清田 俺だったら「あれは何だったの?」とか、「もしやワンチャンの予感!?」みたいに考えて混乱したり期待したりしちゃうと思うんだけど、先輩はどうだったの?

森田 先輩も、腕を組んで歩いてるときこそ「こいつ俺に気があるのかな?」という考えが頭をよぎったと言っていた。さっきワッコが言ってた“ザワ”だよね。ただ、後になって冷静になって考えてみたら、ただその瞬間の「遊び」だったんだなと。

清田 先輩、大人だな! すぐセックスに結びつけて考えちゃうのって野暮なのかもね。セックス貧乏性みたいな……。「フラートを楽しみましょう」ってことを二人で共有できてる瞬間は相当楽しいんだろうなあ。

“フラート弱者”の考えるフラートエピソード

ワッコ うーん。さっきのエピソードを聞いてたら、フラートって、双方が「フラートできる人」じゃないと成り立たない気がするんですけど。

森田 それは確かにあるかも。片方がフラートのつもりでも、もう片方がそうじゃない場合もあるだろうから。

ワッコ そういう場合はどうなるんでしょうか。わたしがもし歩いてるときに同僚から腕をつかまれたら、「うわわあああ!」ってただ驚くリアクションしちゃうと思うんですよ。

清田 普通そうなるよね!?

森田 「腕をつかむ」というフラート行為に関して言えば「女→男」だから成立するのかもしれないけど、これを「腕を組んで歩く」ことに限定しても、ありえない?

ワッコ 想像すらできないです!

森田 いや、俺も女友達と腕組んで歩いたことはないんだけど(笑)、例えば海外に目を向けてみれば、我々の大好きなドラマ『SEX AND THE CITY』で、主人公のキャリーは男友達と腕組んで歩いてたり、ソファーで重なり合うように座ってたりと、すごく親密そうな行動を普通にとってるよね。

清田 外国の映画やドラマを見てると、距離感近えなって感じることがよくある。欧米ではフラートが生活に馴染んでるのかもね。

ワッコ 無意識にできてそうなイメージはあります。

清田 でもさ、女性の側はフラートのつもりでも、男のほうは「おっぱい当たってね!?」「どうすんのこれ!」とかってならないのかな。自分はそんな風に考えて固まってしまいそうです……。

ワッコ DT感が過ぎる(笑)。

清田 いや、そういう「片側フラート」ならば弱者の俺にも経験があるなって思って。

森田 この際だからぜひ聞かせてください。

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森田雄飛(桃山商事) /清田隆之(桃山商事) /ワッコ(桃山商事)

2001年の結成以来、「失恋ホスト」として1000人以上の男女から恋のお悩みやエピソードを聞き続けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」がお届けする、新感覚の恋バナ談義。普段ほとんど語れることのない恋愛の様々なテーマを毎回ひとつ取り上げ...もっと読む

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コメント

_poco_apoco 「フラート」私が今求めてるのはまさにコレ。彼氏を作るのは面倒、でもドキドキはしたい。だけど、勘違いを生まずに同じ感覚で接することのできる相手を探すのはなかなか難しいんだよね。 10日前 replyretweetfavorite

a5k5o5h5 その瞬間だけのプレイ、という感覚もわかる…。お互いに「フラートである」という認識があれば、とっても楽しいやつだ。しかし、その「合意」の有無の確認が難しいかもな…。 https://t.co/YFyWpLB5wD 10日前 replyretweetfavorite

akazunoma なるほどなあ 13日前 replyretweetfavorite

kuma_kuma フラート=ザワッ わかりやすい https://t.co/L0DVxr30kZ 14日前 replyretweetfavorite