僕は、昔の栄光とか名誉とか、そんなものに興味がない。
過去を大事にしながら生きていくって、相当ダサいんじゃない?
野球に関して言うと、日本ハムで日本一になることができたから、もう何の未練もなかった。引退してから野球のボールを持ったのは、2008年に日本ハム対ソフトバンク戦の始球式に呼ばれたときの一度だけ。仲がいい友だちに誘われたとしても、草野球でプレーしようなんて思わない。
そもそも、野球の道具は1個も残ってない。
現役時代、グラブは本当に大事にしていた。守備で使ってもらってる選手だったから、グラブは命の次に大切に扱っていた。
僕は初めてもらった給料から7500円を出して買ったグラブを、現役引退まで使い続けた。引退するころには、もうお金には代えられない道具になっていた。
そのグラブも親父が死んだときに、一緒に棺桶に入れてしまった。
「商売道具を大事にしろ」と言ってくれたのは親父だったから、親父と一緒に燃えるのが一番だろうと思って。
優勝したときのトロフィーとか、ゴールデングラブ賞のグラブも、どこに行ったかわからない。
だって、トロフィーとか賞状なんて持っていて何になるの?
部屋に飾っておけば、誰かお客さんが来たときに「おー、すげー」とか言ってもらえるかもしれない。現役時代を思い出して「あんなときがあったな」とか思うのかもしれない。
どっちにしても全然興味がない。
みんなどうしてあんなに、昔のものにこだわっているんだろう。
過去なんて見ないで、未来を見たほうが絶対にいいと思うんだけど。
これからもずっとバリに住み続けるとは言い切れない。この本が出ているころには、世界の果ての、どこか思いもよらない国に住んでいるかもしれない。
どうなっているかはわからないけど、バリを選んだときみたいに、僕が一日で移住を決断できるのは間違いない。
一寸先は闇じゃない。
一寸先は、光だと思ったほうがいい。
何が起こるかわからないけど、何が起きても楽しくしてみせる。そうやって生きていれば、きっと楽しくなるから。
夢は見るものじゃなくて、叶えるもの
僕はこれまで夢をいくつも叶えてきた。
1つ目は、「プロ野球選手になる」という子どものころの夢。
2つ目は、「プロ野球選手としてスターになる」という夢。成績はスターと言えるのかわからないけど、タイガースのレギュラーとして注目を浴びるようになった。
3つ目は、「アメリカでプレーしたい」という夢。行くときは何の保証もなかったけど、メジャーリーグで4番を打つことができた。
4つ目は、「できたばかりの北海道日本ハムファイターズでパ・リーグを盛り上げる」という夢。3年目に優勝もできたし、日本一にもなれた。
自分で言うのもなんだけど、僕が入団しなかったら今の日本ハムの人気はないと思う。ダルビッシュ君とか、中田翔君とか、大谷翔平君も、日ハムに入団しようと考えなかったかもしれない。
彼らのようなスター選手が行きたいと思う、どメジャーな球団に育てられたという思いは持っている。
さあ、次はどの夢を叶えようか。
なんの夢かって?今は、言わないでおこう。
オールスター戦でいきなりホームスチールしてみたり、日本ハム時代、ゴンドラでグラウンドに降りてきたときみたいに、僕は密かに準備して、みんなをびっくりさせるのが好きなんだ。
夢は見るものじゃなくて、叶えるもの。
夢を叶えるために、諦めずに必死で努力する。
夢を叶えたときに「よくがんばったな」と思える人生は楽しいし、価値があると思っている。
夢を4回叶えた僕だけど、夢は何度叶えても楽しい。
この本を読んでいる君は、夢を持っているだろうか。
うまく行かないことがあっても、なんとかなるよ。
20億円失って、楽しく生きている僕が言うんだから信じてほしい。
一度きりの人生を楽しんでほしい。
ポジティブに生きてほしい。
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