新庄剛志】ハンデに負けず人生を大逆転!自分だけの「才能の伸ばし方」#11

鳴り物入りでメジャー入りした新庄さんに対してチームメイトは快く思っていませんでした。しかも英語が話せないハンデもあって友だちは皆無。そんな最悪の状態を打破するために新庄さんがとった驚くべき行動とは?
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一つでも「できること」に自信が持てると、「できないこと」があまり気にならなくなる。悲しむのではなく、それを笑いに変えられるようになる。
たとえば、こんなことがあった。

アメリカでメジャーの試合に出ているとき、ボードか何かに練習場所が書いてあったのを見て、僕がこう言った。
「あ、明日の試合、ミアミなんだ」
それを聞いた通訳がびっくりした顔で言った。
「え、冗談でしょ?マイアミのこと、ミアミって発音してるんですか?」
「MIAMIって書いてあるからミアミやん。なんで最初のMIがマイで、最後のMIがミなの?誰が決めた?マイって読むなら、マイアマイじゃないの?」
僕は恥ずかしがることなく、自信たっぷりに、こう主張した。

そのやり取りを知った周りのみんなは大笑いして、それからマイアミのことを「ミアミ」って呼ぶのがチーム内で流行った。

「おい、ツヨシ、明日はまたミアミで試合だぞ」
「知らないのか?これはマイアミって読むんだぜ、間違えるなよ」
僕が真顔で言うと、周りは大爆笑。
明るくポジティブにやっていると、みんなが自分に合わせてくれる。全部が自分のペースになってくる。それは「運がいい」ってことにもつながってくるような気がする。

だから、僕は英語を覚えるなんて気はさらさらなかった。
僕が英語を覚えるよりも、周りのみんなに日本語を教えたほうが話が早いと思っていたから、ロッカールームでも何でも、日本語でガンガンしゃべりかけた。
そうしたら、みんな「ハラヘッタ」とか「メシイコウ」とか、向こうから日本語で声をかけてくれるようになった。
特にラテン系の選手は、リズム感がいいせいか、外国語の覚えが異常に早い。
そのうち監督まで、カタコトの日本語で話しかけてくれるようになった。

何度でも繰り返すけど、できないことはやらない。
できることに集中する。

できないことは、笑いに変えてしまえばいい。

そうすれば、運は良くなる。絶対に。
僕は、そうしてやってきたんだから断言できる。

メジャーに行きたてのころ、僕は友だちができなかった

明るさと運について、もうちょっと話してみようか。

明るく陽気な野球選手というくくりで、僕は読売ジャイアンツ終身名誉監督の長嶋茂雄さんと似てるって言われることがよくある。
「昭和のスーパースター」と比べてもらって、光栄に思っている。
でも本当は、僕と長嶋さんは全然タイプが違う。

長嶋さんは、“超”がつく天然。
片方の足に二足分のソックスを重ね履きして「ワンちゃん(王貞治さん)、僕のソックス知らない?」って言ったとか、選手みんなのために切ったスイカなのに、三角形の切り身の先っぽだけ、全部長嶋さんが食べちゃったとか……。
あるときは東京駅に自分の車を運転して行って、駅前に車を置いたまま、切符も買わずに改札を通り抜けてしまったという話も聞いた。
「いいの、いいの。僕、長嶋だから」と言ったとか、言わなかったとか。

いや、ギャグにするつもりなんて全然ない。長嶋さんの「天然」は、僕にはとうてい真似できない、すごい才能だと思う。 でも、僕は長嶋さんとは違って、たとえ笑いを取るときでも、いちいち計算するタイプの人間だ。

今だから言えるけど、アメリカに行った最初のころ、僕はなかなか友だちができなかった。ロッカールームでも、仲良く話をする選手はいなかった。
でも、テレビカメラの前では、僕は選手と仲がいい感じに見せていた。日本のみんなが見ていると思うと、ひとりぼっちの姿なんて見せられなかった。日本で僕を信じて応援してくれている人たちに勇気を与えたかったから。

あるとき、試合が終わって自分のロッカーを開けたら、汚れたスパイクが詰め込まれていた。
いたずらなのか、いじめなのか……。
英語もしゃべれないし、体も細いし、プレーヤーとしての能力も未知数。はっきり言って、見下されていたんだろう。
最初は、そういうちょっかいもガン無視していた。一人でロッカーと向き合って、ずっとイヤホンをつけてDVDを観ながら試合が始まるのを待っていた。

でも、しばらくして、これじゃダメだと思った。
こういうふうに一方通行の関係じゃ、仲良くできない。
そんなことじゃ、出番もまわってこないし、結果だって出ない。

運の流れを変えなければ—。

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新庄剛志

テレビ『しくじり先生』で、「20億円を使いこまれていた」と衝撃の告白をし、日本中にセンセーションを起こした新庄剛志さん。失意のどん底で、何を考え、どう乗り越えたのか!? 新庄剛志さんが自身の半生を綴った『わいたこら。』(学研プラス)を...もっと読む

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asyara28 https://t.co/VvapreMBA0 約1年前 replyretweetfavorite