12億円よりも2200万を選んでメジャーへ挑戦 #6

阪神で「スター選手」だった新庄さんは「もっとハングリーに野球をやりたい!」と、メジャーに行くことを決意。世間の目は「日本の恥」「絶対ムリ」と冷たいものでした。第6回は、メジャーへFA宣言したエピソードを紹介します。◆話題沸騰!『わいたこら。』を全文公開【毎週火・木更新】◆

タイガースの主力として活躍できるのは嬉しかったけど、ある時期から、居心地の悪さも感じ始めていた。
関西では、僕が打っても打たなくても必ずスポーツ紙の一面に僕の記事が出る。よく言えばファンが熱いんだけど、プレッシャーも大きかった。
言ってもいないことを好き勝手に新聞に書かれたり、髪形を変えただけでも記事になったり、マスコミに疲れてきたこともあったと思う。

僕は期待されるより、相手にされていないほうが力を出せる。プレッシャーから抜け出したい気持ちも強かったのかもしれない。
「スター選手」になったおかげで、チーム内でもなんとなく浮いてしまっていた。 たとえば、新幹線で移動するとき、僕が誰かを誘っても「いや、俺は別のやつと行動する」みたいに言われてしまう。
なぜかというと、僕と一緒に移動するとマスコミの人たちがたくさん集まってくるから。一緒に歩いている選手だって同じプロ野球選手。僕のほうだけマスコミが取り囲んで、自分が無視されたら、やっぱりいい気分はしない。

そうやって、周りから人が減っていくのはさみしかった。
先輩と廊下ですれ違うときも、先輩のほうが肩を引くみたいなことがあった。そうやって特別扱いされるのがたまらなく嫌だったけど、どうにもならない。

ケガをして休場しても、戻ってくれば、またセンターのポジションは僕の定位置。そういう扱いに甘えていた半面、うんざりしていた部分もある。
二軍の選手が「一軍で結果を出すぞ!」と目をぎらつかせているのを見ると、うらやましくて仕方がなかった。

そんな状況で、僕はFA(フリーエージェント)権をもらった。タイガース以外の球団と交渉して、最も条件のいい、好きな球団と契約できる権利だ。
僕は、関西を飛び出してチャレンジしたい気持ちが強くなった。
とにかく、もっとギラギラした目で野球をやりたい
それには環境を変えるしかない。

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新庄剛志『わいたこら。』

新庄剛志

テレビ『しくじり先生』で、「20億円を使いこまれていた」と衝撃の告白をし、日本中にセンセーションを起こした新庄剛志さん。失意のどん底で、何を考え、どう乗り越えたのか!? 新庄剛志さんが自身の半生を綴った『わいたこら。』(学研プラス)を...もっと読む

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コメント

ga_kun8 “そのころ僕が甲子園で試合に出れば、球団は1日で2億円くらいの稼ぎになったそうだ。でも、僕が出なかったら1億円もいかないという話だった。” 事実なら驚き。 約1年前 replyretweetfavorite

hotondononaka 新庄の話面白すぎるよまりあちゃん 約1年前 replyretweetfavorite

asyara28 あの頃は、御免なさい。 約1年前 replyretweetfavorite