秋はきのこの季節。天然物が手に入れば言うことないですが、スーパーで買える栽培種のきのこで秋の味覚を楽しみましょう。
きのこを使った料理は従来の常識では『強い火でさっと炒める』のがコツとされてきました。今日はそんな常識を覆す『きのこのゆっくりソテー』を作ります。15分程度という長い加熱時間が必要ですが、きのこから100%の味を引き出す調理法です。
きのこのゆっくりソテー
材料(4人前)
きのこ (各種あわせて)およそ600g
オリーブオイル 大さじ3
にんにく 1片
塩 1g〜2g
胡椒 適量
バター(お好みで) 10g
きのこ600gというのはわかりづらいと思うので、バットに載せてみました。今回使用したのは、まいたけが1パック、しめじが1パック、エリンギが1パック、しいたけが半パック(3枚)。これで580gでした。
きのこのソテーは保存が利くので多めに作っています。量は半分で作っても大丈夫ですし、どれか一種類、または二種類でもいいでしょう。
1.きのこは手で細かく裂く。しいたけは手で裂けないので、包丁で7mm厚にスライス。エリンギは横半分に切ってから、手で裂く。
*きのこは手で裂く
きのこは手で裂くと自然な感じに仕上がります。ところできのこは『野菜』なのでしょうか。実はきのこは、植物ではなく『菌』の一種。仲間として近いのはカビや酵母です。野菜とは性質が異なるので、扱い方も違います。
ほとんどの種類のきのこは収穫した後も成長を続けるので、常温で置いておくとどんどん弱ってきます。ただ、そのあいだに軸のタンパク質が分解されアミノ酸となり、かさやひだに送られるので、少しの時間であれば置いておくと、それらの部分の風味が増します。とはいえ買ってきたきのこ(あるいは天然物)は早めに食べたほうがいいでしょう。
きのこを冷蔵庫で保存すると代謝活性が鈍るので長持ちしますが、きのこから出た水分によって表面が濡れ、腐るリスクが出てきます。そこでキッチンペーパーで包むと長持ちさせることができます。
料理の本には『きのこは洗ってはいけない』と書いてあります。しかし、〈きのこはほぼ水分でできているのでさっとすすぐだけで風味が失われることはない〉とハロルド・マギーが書いているように、洗うことは問題になりません。
とはいえ栽培種のきのこであれば洗う必要がないので、そのまま使います。気になるようならさっと洗いましょう。
2.冷たいフライパンにオリーブオイル大さじ3と半割にしたニンニクを入れる。その上にきのこをかぶせ、弱火にかける。
*冷たいフライパンから加熱する理由
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