お金が貯まる「お金のノート」の作り方
お金は、稼ぎ方を学ぶだけでなく、ちょっと「ライフスタイル」を変えてやりくり上手になるだけでもずいぶん貯められる。
ここで質問だ。
あなたは、「やりくり上手」と聞くと、どんなタイプの人を想像するだろうか?
「家計簿をつけて、細かく支出を管理している人でしょ?」
そう思った方も多いのではないだろうか。
たしかに、「何にいくら使ったのか」を詳細に記録している人は、ムダ遣いが少ないかもしれない。「今月は交際費を使いすぎたから、外食を控えよう」
「電気代が上がったから、エアコンの設定温度を上げよう」
といったように、生活費にかかるお金をきちんと把握できている人は、やりくりもうまくいく。
しかし、あなた自身は今まで、家計簿をつけたことがあるだろうか?
「つけようとしたことはあるけど、三日坊主で終わった……」
そんなふうに答えた人が、かなり多いのではないだろうか。
そう。「家計簿をつけることは、ムダ遣いをなくすために有効だ」とわかっていても、継続してつけられる人は意外と少ない。
家計簿を続けられる几帳面な人ならば、とっくにお金が貯まっているはずだ。
正直なところ私も家計簿は苦手だし、これまで細かな家計簿をつけたことはない。
では、私やあなたのようなものぐさなタイプは、どうやってお金を貯めたらよいのだろう?
私自身いろんな方法を試してみて、やっと自分にあった支出の記録方法を見つけることができた。
それは、「お金のノート」をつけることだ。
「お金のノート」は、家計簿のように堅苦しくなく、とにかく簡単。
その日に買った「モノ」と「金額」を、ただノートに書くだけでいい。
「食費」「光熱費」などのように仕訳する必要はまったくない。
「〇月〇日 雑誌 980円」などのように、買ったらその場でノートに書き込んでいく。
できれば、ノートの大きさは、ポケットに入るくらいの小さなものがいい。
買ったらすぐに書かないと忘れてしまうからだ。ポケットから手早く取り出せる大きさが便利だ。
たったこれだけでかまわないので、とにかく一ヶ月間続けてみてほしい。
一ヶ月続けることができたら、一度その記録を見返してみよう。
すると、そこから自分の消費傾向がわかってくる。
私の場合は「酒」「パチンコ」「競馬」「洋服代」に大きな金額が並んでいた。
まあ、そのあたりのことは自覚があったので特に驚きはしなかったのだが、自分で気づいていなかったムダ遣いもいくつか発見することができた。
たとえば多額な保険料がそれだ。
当時の私は月額4万5000円もの保険料を支払っていた。
なぜだろうと思い返してみたら、勧誘員のお姉さんがかわいかったので、言われるまま保険に莫大(ばくだい)な死亡保障をつけてしまっていたのだった。当時、私は20代で独身だった。まだ、多額の死亡保障をつけるには早すぎる。当然すぐに保険は解約した。
「お金のノート」に「タバコ」の文字がうんざりするぐらい並んでいたのも印象深かった。
数えてみたら、月にして3万円はタバコ代に使っていた。
前から禁煙したいと思っていたこともあり、私はタバコをスッパリやめる決意ができた。「お金のノート」から「タバコ」の文字が消え去ったときの、爽快感は今でも忘れられない。
保険の解約とタバコをやめたことで、月額にして7万5000円の節約を達成できたわけだが、そのとき私がやったことと言えば、買ったモノと金額をノートに書いて見直しただけだ。「お金のノート」の手軽さとその実力が少しはわかっていただけただろうか?
お金は、根性や精神力だけでは貯められない。
「お金のノート」の素晴らしいところは、買ったモノを記録し、それを見直すだけで、使ったお金を可視化できるという点だ。
その結果、消費に対する意識が自然にコントロールされていくことになる。
買ったモノと金額をノートに書き込むのは、第1ステップ。
「お金のノート」には第2ステップが存在する。
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