給料がふえると人はその分だけ余計に出資する
先日、私のところに積立投資の相談に来たSさん(28歳 男性 独身 警備会社勤務)がこんなことを言った。
Sさん:今は友だちや彼女と遊びに行くのが楽しくて、ついついお金を使ってしまうんですよね。積立投資に興味はあるんですけど、ぜんぜんお金が貯まらなくて。そのうちお金が貯まってからスタートしても大丈夫ですよね? cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
田口 :「そのうち」なんて言ってたら、いつまでたっても始められないんじゃないかな?
Sさん:そんなことないですよ。年をとったらみんなそこそこ貯金だって貯まるし、問題ないんじゃないですか?
田口 :年をとったらお金が貯まるなんてどうして言えるの?
Sさん:え? だって給料も上がるし、今よりは自由に使えるお金がふえるはずでしょ?
田口 :もし給料が上がらなかったら?
Sさん:え~! 上がらなかったらですか? それは……うーん、そのときになってみないとわからないっていうか……。まあ、なんとかなりますよ。
Sさんは子どものような屈託のない顔で笑っていたが、私は彼の将来が心配でとても一緒に笑う気持ちにはなれなかった。
年齢とともに給与が上がるというのは、ひと昔前のサラリーマンの話だ。
いわゆる年功序列制度というやつだが、いまだにそういう発想をする若い人たちがいることに戸惑いを覚えてしまう。
親の世代がそうだったからといって、自分たちも同じように「年をとればお金が貯まる」と思っているのだとしたらとんでもない間違いだ。