bar bossaに集まっていた若者たち
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
bar bossaは1997年に開店したのですが、その開店当初、カウンターが現役東大生のたまり場になったことがあったんですね。やっぱり彼ら、頭が良いし育ちも良いから話が面白くて、隣になったおじさん達と仲良くなったりして、bar bossa初期のちょっとした名物常連みたいになったんです。
そんな彼らも就職活動が始まりまして、どういうところに就職するんだろうと思っていたら、東芝に入ったり、博報堂に入ったり、NHKに入ったり、裁判官になったりしてました。NHKに入ったのは「安達もじり」くんという男性で、在学中に「自主映画でbar bossaのカウンターを撮影に使わせてほしい」なんて言ってくれたこともありました。今は、朝ドラを見ていると、演出でもじりくんの名前がクレジットされていて、順調にやってるんだなあって朝から嬉しくなります。
もう1人、「綾女欣伸」くんという男性がいて、彼、bar bossaの常連だった人たちが立ち上げたインディーズレーベルで在学中にバイトしてて、なんと東大を卒業してそのままそのインディーズレーベルで働き始めたんです。その綾女くんは後に朝日出版社というところに再就職して、武田砂鉄さんの作品と九螺ささらさんの作品でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作品を2冊も編集したりして、今はすごい売れっ子編集者になっています。
彼らもあれから20年、家庭を持ったり、大きい仕事を始めたりと、ずっと見ているととても面白くて、「バーを長くやるといろんな人がやってくるから本当に面白いなあ」っていつも思います。
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