​ロンドンで蕎麦屋

人と人が交差するバー。林伸次さんのお店bar bossaにも、いつもたくさんの若者が集っていました。そんな若者たちの姿をカウンターの向こうから見てきた林さんは、なにを思うのでしょうか。

bar bossaに集まっていた若者たち

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

bar bossaは1997年に開店したのですが、その開店当初、カウンターが現役東大生のたまり場になったことがあったんですね。やっぱり彼ら、頭が良いし育ちも良いから話が面白くて、隣になったおじさん達と仲良くなったりして、bar bossa初期のちょっとした名物常連みたいになったんです。

そんな彼らも就職活動が始まりまして、どういうところに就職するんだろうと思っていたら、東芝に入ったり、博報堂に入ったり、NHKに入ったり、裁判官になったりしてました。NHKに入ったのは「安達もじり」くんという男性で、在学中に「自主映画でbar bossaのカウンターを撮影に使わせてほしい」なんて言ってくれたこともありました。今は、朝ドラを見ていると、演出でもじりくんの名前がクレジットされていて、順調にやってるんだなあって朝から嬉しくなります。

もう1人、「綾女欣伸」くんという男性がいて、彼、bar bossaの常連だった人たちが立ち上げたインディーズレーベルで在学中にバイトしてて、なんと東大を卒業してそのままそのインディーズレーベルで働き始めたんです。その綾女くんは後に朝日出版社というところに再就職して、武田砂鉄さんの作品と九螺ささらさんの作品でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作品を2冊も編集したりして、今はすごい売れっ子編集者になっています。

彼らもあれから20年、家庭を持ったり、大きい仕事を始めたりと、ずっと見ているととても面白くて、「バーを長くやるといろんな人がやってくるから本当に面白いなあ」っていつも思います。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

林伸次さん、はじめての小説。

ケイクス

この連載について

初回を読む
ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

pnpndash 夏の3ヶ月の間、あんまりそういう飲み方をしてなかったなぁ。ちょっと知り合いに会うことに力をかけすぎていた気がする。少し反省。 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

tomshirai 将来は早期退職して海外でタコ焼き売りたいと言ってた広告マンの友達、あの夢はどうなったかなぁ…? 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

tomonorikiyota とても興味深い記事。最近の東大生は社会システムの変化についても研ぎ澄まされたセンスをもっているのか! https://t.co/UiVYU1e47l 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

moxcha 東京でできる職業と職種って偏るからなあ。 約1ヶ月前 replyretweetfavorite