チャーハンは、前日の夜に余った冷やご飯を利用した手軽な料理。なぜかこだわる方が多く、作り方を紹介すると「いや、こうした方がおいしい」という声が挙がる厄介な料理でもあります。とりあえずここでは僕なりのベターなレシピをご紹介しますので、こんな考え方もあるんだ、くらいに受けとっていただければ幸いです。
チャーハン
冷やご飯 300g(約1合弱 ご飯茶碗にたっぷり2杯分)
長ネギ 1本分(濃い緑色の部分以外の部分)
卵 2個
焼豚 50g(簡単焼豚を使用or市販品)
塩 小さじ1/2
醤油 小さじ1/2
ラード 大さじ1+大さじ1
1.材料を準備しておく。長ネギは一本分をみじん切り、焼き豚も小さく刻む。卵はボウルによく溶いておき、冷やご飯(常温、もしくは冷蔵保存しておいた残りご飯)はレンジで3分間加熱。
*冷やご飯を温めて使う意味
チャーハンのポイントはパラパラ感。それを得るためには冷やご飯を使うことです。
炊きたてのご飯を冷ますと、米は粘りを失います。これを調理用語では「デンプンの老化」と言います。冷蔵庫にお米を入れてはいけないとされるのは、米のデンプンの老化が2℃〜4℃で進むからです。ちなみに60℃以上ではデンプンの老化速度が遅くなるため、炊飯器の保温温度の多くは60℃〜70℃に設定されています。
デンプンが老化すると米は粘りを失います。水分を加えると米は粘り、水分を失うと米はパラパラになる、ということを憶えておいてください。冷蔵庫に入れたご飯はそのまま食べるには適していませんが、チャーハンには好都合。しかし、冷たいまま炒めるとフライパンの温度が下がってしまい、上手に炒められないので、事前にレンジで温めるのです。
なお、米は硬めではなく、普通に炊いたものを使います。冷やご飯にすると米粒が硬くなるので、硬めに炊いてしまうと食感が悪くなります。手元に冷やご飯がなく、炊きたてのご飯をチャーハンにしたい場合は硬めに炊くといいでしょう。
おいしさの秘密はラード。もちろんなければサラダ油でもかまいませんが、動物性の脂肪を使うとこってりとした味になります。
2.フライパンに大さじ1のラードを入れて、中火で熱し、長ネギの半量を炒める。軽く焦げ目がついたら皿に取り出す。
*チャーハンと焼きめしのあいだ
プロは普通、チャーハンをつくるとき、長ネギを炒めませんが、今回は焼きめし風の仕上がりにするために半量を炒めています。
3.2と同様にフライパンに大さじ1のラードを入れて中火で熱する。卵を入れたらすぐに混ぜる。
*たっぷりの油を熱したところに卵を入れるのが基本
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。