気がつけば、何も残っていなかった。 嫁さんさえも… #2

20億円をだまし取られ、「メール離婚」で妻も失う。失意のどん底で、新庄さんは何を考えていたのか――。◆話題沸騰!『わいたこら。』を全文公開【毎週火・木更新】◆

もうAさんと直接話してもどうにもならなかったから、僕は知り合いに泣きついて、弁護士さんになんとかしてもらうことにした。 そのとき僕は気づいた。 結局、全部を人任せにしてきたのがダメだったんじゃないか、と。

僕はAさんにお金の管理をすべて任せていた。で、それを使い込まれたのがわかった今も、弁護士さんに頼ってなんとかしてもらおうとしている。
今は弁護士さんに任せるしかないけど、ずっと人に任せて大事なことをほったらかしにしてきたからこんなことになったわけだ。


そのとき僕は、もうお金なんてたいして戻ってこないだろうと思った。人に任せている限り、どうにもならないんだ。
最終的に、いくら返してもらえるのかはわからない。ただ、そのとき僕は強く決意した。
もう、大事なことを人に任せるのはやめよう。

気がつけば、僕には何も残ってなかった。
すでに嫁さんとの離婚も決まっていた。
離婚を考えたのは、バリ島移住を思いついたとき。「一人で自由になりたい」という自分勝手な理由だった。 僕は、嫁さんにメールで離婚を伝えていた。

「僕は自由になりたい」
「ごめんなさい。バリに住むことにしたから離婚してほしい」
そんなことを書いて送ったと思う。
彼女はとてもびっくりしていた。

「は?意味わかんない」

というメールが返ってきた。メールで離婚なんて、普通に考えたらどうかしているし、驚くのは当たり前だよね。でも、僕はその「どうかしている」人間だ。
「俺も意味わからないけど、とにかく離婚したい」
と返事をした。いろいろあったけど、最後には「そういう人だからしょうがない」と受け入れてもらえた。ありがたかった。
自分の意志で離婚したわけだし、その結論は今でも間違っているとは思わない。 でも、その後20億円を失ったことがわかり、どん底に突き落とされた僕には、「何も残っていない」ということがただただ寂しかった。

僕は彼女のことが大好きだった。僕を選んで結婚してくれたことも、アメリカに一人で行かせてくれたことも、文句を言わず離婚してくれたことも、全部ひっくるめて「どうかしている」新庄剛志という人間を、本当にわかってくれる人だった。
僕にとって彼女は最高の嫁さんだった。 彼女には本当に幸せになってほしい。今でも強くそう思っている。

最終的に、 いくら返してもらえるのかはわからない。
ただ、そのとき僕は強く決意した。
もう、大事なことを 人に任せるのはやめよう。

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新庄剛志『わいたこら。』

新庄剛志

テレビ『しくじり先生』で、「20億円を使いこまれていた」と衝撃の告白をし、日本中にセンセーションを起こした新庄剛志さん。失意のどん底で、何を考え、どう乗り越えたのか!? 新庄剛志さんが自身の半生を綴った『わいたこら。』(学研プラス)を...もっと読む

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