読みたい人、書きたい人のミステリ超入門

第17回 ミステリ新人賞、その執筆および投稿と選考に関する一考察(3)

当たり前のことが、存外軽視されているように思えてならないので、敢えて言っておく。 ──ミステリの新人賞は、ミステリの要素を最も重視する。どんなに小説として優れた作品であっても、ミステリではないものは受賞できない。
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◆求められているものは何か?
 そして、その発想やアイディアは、募集されているジャンルのものでなければならない。ミステリの名前を冠した新人賞であればミステリの要素で、ホラーならホラー、SFならSFの要素でどれだけ個性を発揮しているか。それが勝負の決め手になる。
 こんな当たり前のことが、存外軽視されているように思えてならないので、敢えて言っておく。 ──ミステリの新人賞は、ミステリの要素を最も重視する。どんなに小説として優れた作品であっても、ミステリではないものは受賞できない。
 ミステリの新人賞の下読みをしていて、しかも一次予選を通過した作品を読んでいるはずなのに、読みながら「これって、ミステリなの?」という疑問を抱くことは、一度や二度ではない。バリバリの本格が少ない、とかそういうことを嘆いているのではなく、謎があってお話が二転三転して、解決したかと思ったらどんでん返しがある、というような、ミステリミステリした作品がとても少ないのだ。広義のミステリの、「広義」を思いっきり広くとっても、それでも「?」となってしまうような作品も結構ある。
 じゃあどういう小説がミステリなんだよ? という疑問に関しては、

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新潮社
2018-07-20

この連載について

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読みたい人、書きたい人のミステリ超入門

新潮社yom yom編集部 /新井久幸

ミステリ作家志望者、必読! 「新潮ミステリー倶楽部賞」「ホラーサスペンス大賞」「新潮ミステリー大賞」など、新潮社で数々の新人賞の選考に携わってきたベテラン編集長が考えるミステリの読み方・書き方の<お約束>とは――。電子書籍文芸誌「...もっと読む

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