結婚制度がない未来、僕の母は孤独死しました

待ち合わせ場所に百鳥ユウカさんは現れず、現れたのは奇妙な若い男だった。彼は、未来の話を語ったのちに、自分は百鳥ユウカの息子だと名乗った。

「僕の母親は百鳥ユウカです」

「は? 何言ってんだ?」

「今、百鳥ユウカさんが結婚したがっていることにはもちろん気づいていますよね?」

「そりゃあ、ユウカさんはオブラートに包むとかまったくできないから、ド直球で言われてるよ。なんで結婚してくれないの? って」

「彼女が池崎くんと付き合ってる立場で僕とセックスしたのだって、癪だけど結婚相手を探してるからだろうしね。もしも結婚制度が今現在なかったら、ユウカさん得体の知れない焦燥感とかもなく、普通に池崎くんと同棲し続けてる気はするよね」

「なんかそれって変ですよね。僕の時代には結婚はないからより不思議です。目的が好きな人と一緒にいることより、結婚なのだとしたら、何が幸せなんでしょうか?」

「結婚すること、それ自体を幸せと思うんだろうね、女性は」

「なぜですか?」

「結局、愛の頂点が結婚だって思ってて、それを達成できない自分は、相手からの愛が頂点じゃないって思うんじゃないかな。だから、当たり前のように、愛してるなら結婚してくれるはず。結婚に踏み切ってくれないのは本当に私のことを愛していないからだ、って思うんだよ。まぁ、それも一理ある気もするけどね。僕なんかは、好きな人が望めばそれをしてあげたいって思うから」

「じゃあ、どうぞ。高畑さんユウカさんと結婚してあげてくださいよ」

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません