●純粋な「野球少年」のまま
プロ野球という世界に身を置く道半ば、大谷はメジャーへの思いを心の奥にしまい込んでいた。多くを語ることはなかったし、語る必要もないと思っていた。「その瞬間」が再び自分を求めてくるまで、思いへの熱は絶やさずとも、ただ静かに待ち続けた。
思えば六年前。大谷は、表情にこそ冷静さを保っていたが、昂る思いを「メジャー挑戦」という言葉で表した。そこには、汚れのない真っ直ぐな、何物にも左右されない「18歳の決断」がたしかにあった。
高校時代の決断と22歳のそれには、何か大きな違いはあったのだろうか。
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