写真で話そう

思い描いた理想像が”スキャン”できるか?

今回の「写真で話そう」は、写真を撮る心構えについて。全員が同じ東京タワーを撮った時、写真に差を出すのは何か。そして、何を研ぎ澄ませば「個性」が身につけられるのかを考えます。

ワタナベアニです。毎週ここにポートレートの話を書くことで、否応なく自分が何を考えているか再確認させられています。

写真は絵と違って、自分の頭の中にしか存在しないモノを描くのではなく、出会ったモノを自分の方法でスキャンすることです。ですから、東京タワーのように誰でも撮ることができる場合に個性を与えるのは、それぞれの「スキャナーの精度」だと言えるでしょう。

ある人を目の前にしたとき「自分にとってこの人はどんな存在なのか」を考えます。目が綺麗だなとか、元気な人だな、といった表現したい印象の集合として写すわけです。もしかして気に入らない部分は画面から排除したりしているのかもしれません。それがスキャナーの個性でもあり、同じモノを写しても誰一人として同じ東京タワーの写真にはならないという意味なのです。このアングルからだと格好良く撮れますよ、というアドバイスが無意味でお節介なこともこれでわかりますよね。

普段から自分のスキャナーの精度と個性を熟知しておくと、誰を撮っても自分の写真にすることができます。モデルになる人に表現が引っぱられなくなるという意味です。個性というのは変えにくいですが、精度は技術なので向上させられます。毎日出会う人々に練習台になってもらい、思い描いた理想像がスキャンできているか、技術的な訓練も続けています。

背景が殺風景であることが人物をよく見せることもある。

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ワタナベアニ

写真家・ワタナベアニさん。年中無休、四六時中、カメラのシャッターを切り続けています。この連載ではそんなワタナベアニさんのライフワークともいえる、ポートレート写真を掲載していきます。レンズのむこう側で写真家は何を思っているのか、その様子...もっと読む

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