桃山商事の恋バカ日誌

ラブホ代を出したがる男、それを気持ち悪いと感じる女

「失恋ホスト」として数々の恋愛相談を受けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」の3人が、新感覚の恋バナ談義を繰り広げるこの連載。今回のテーマは、前回にひき続き「恋愛とお金」についてです。合コンのお会計や結婚式二次会の参加費、ラブホのお会計など、支払いにおける男女差の疑問をとことん語り合います。

「男8500円、女8000円」の意味とは?

【登場人物】

清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業

森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員

ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員


清田 9月は「恋愛とお金」をテーマにお送りしているわけだけど、前編では食事をめぐる「おごる・おごられる」問題について考えてみました。

森田 今の高校生や大学生の間では、「おごる文化」の存在感がだいぶ希薄になってきているようだった。一方で、ある世代よりも上の男性には「男だからおごらなきゃ」という呪縛が確実にかかっている。それに拍車をかけるように、例えば女性からは「女子の方が経費かかる説」などの意見も出てきた。

清田 はあちゅうさんのブログも話題になったよね。「女子は美容や化粧にお金がかかってるから、食事代は男が出すべきだ」という主張だった。

ワッコ 女子が一か月に使う美容費などかなり具体的に考察されていましたね。

清田 昔、年収が俺の3~4倍はある商社務めの女子と合コンしたことがあるんだけど、そのときですらお会計は「男子8000円、女子2000円」だった。これは男子側の幹事が決めた割合だから女子たちには関係ないけど、格差社会とジェンダー規範のダブルパンチで意気消沈したことがある。

森田 その直後にラジオの収録があって愚痴ってたよね(笑)。それで言うと、このまえ会社の後輩男子の結婚式二次会に参加したら、値段設定が男8500円、女8000円だったことがあって。

ワッコ 500円の差ですか。それはまた微妙な差ですね。

森田 後輩の彼としてはイーブンにしたかったらしいんだけど、彼女が「女の子は準備にお金かかるから、ちょっとでいいから傾斜をつけてほしい」と強く主張して、せめぎ合いの結果そうなったと言ってました。

清田 実質的にはイーブンだけど、「男子の方が多く払う」っていう建前は残したってわけか。

ワッコ う~ん、でもなんで「女だから」安いんだろうという疑問は、常に残りますよね。

清田 ワッコ的には安くされるのって気持ち悪い?

ワッコ 根拠がわからないからモヤモヤするんです。わたしは結婚式に出席するときも美容室に行くことはないから、特別経費がかかるとは思ってないですし。

森田 女子にもいろんな人がいるもんね。結婚式の装いに経費をかける人もいれば、そうでもない人もいる。

ワッコ だとしたら、「この式のために美容室に行った人は5000円」とかにするとかはダメなんですかね?

森田 領収書持って来いと(笑)。

清田 学割的なね。それで言うと、俺みたいにAOKIのスーツで済ませる人もいれば、オーダーメイドのスーツを作る人もいるわけで、男でも外見に投じた経費はまちまちということになる……う~ん、難しい問題だね。

森田 「男だから」「女だから」と括るとどこかでひずみが出るんだろうね。

ホテルのお会計をどうするか問題

清田 そういえばこの前、知り合いの男性が「ラブホのお金をいつも男が払うのは納得いかない」って話をしていた。マッチングアプリとかで知り合った女性とホテルに行くと、いつも彼が払うことになるみたいなのね。一回だけの関係ならまだしも、関係を継続した場合でも常に自分が払うのが腑に落ちないみたい。「俺は何に対して金を払ってるんだ」って言ってた。

ワッコ まんこへのお金ですね!

森田 直接的だな(笑)。

清田 その人は単純に「男ばっかり負担が大きくてイヤだ」と言ってたんだけど、その心理はどういうメカニズムによって生じてるんだろう。

ワッコ うーん。昔、知り合いの男性とホテルに行く流れになったんですけど、ホテルに着いてフロントでわたしが半額払おうとしたら、「そんなことする女は見たことない。やめろ」と強い口調で言われました。男が出すのは当たり前だろうって。

清田 確かに暗黙の習慣みたいなものがあるよね。やりたい側が払うという理屈なのかな。となると、大前提として「常に男の人がやりたい側で、女の人がやらせてあげる側」という構図があることになる。

森田 女の人が明確に「やりたい側」の場合はどうなるんだろう。ワッコの女友達で、すごくセックスが好きで、常時セフレが数人いるという伝説の“素敵ビッチ”がいるじゃない? 彼女はホテルの会計をどうしてるの?

ワッコ くわしく聞いたことないんですけど、「アパホテルのポイントを溜めてる」と言っていたので、おそらく自分でも払ってるんだと思います。セフレとはホテル待ち合わせにして、先に到着した方が払うっていうシステムにしてるみたいです。

清田 ポイントカードつくってるところが、リアリティーあるね(笑)。

アパホテルのポイントカード(現物)。2枚あるのは「既婚者のセフレが持ち歩きたがらないからその人の分も携帯してる」という理由だそうです

男たちの“発射”は課金制?

ワッコ 男性たちは、どういう気持ちでラブホテル代を払うんですか?

森田 人によると思うけど、「そういうもんだから」って感覚で払っているのが一般的なんじゃないかなあ。

清田 逆に女の人は、ラブホテルのあの自販機みたいなところで男の人が払ってる時に、どういう気持ちになるの? 当たり前っていう感覚なのか、「あざーす!」みたいに思ってるのか、居心地の悪さを感じているのか。

ワッコ それも人それぞれだと思いますけど、個人的にはあの時間がすごく嫌いですね。さっきも言ったけど、自分のまんこに対してお金を支払われてるような感覚があって、「そんなにまんこに自信ないんだけど……」って思う。

森田 なるほど、そのあとのセックスがプレッシャーになるということか。

清田 「このお金は何代なんだ?」って話だよね。確かに怖いかも。ただ、ホテル代って食事のお会計よりもずっと「男が払うべし」の規範が強いから、「ワリカンにしましょう」とはなかなか言いづらい。

ワッコ “発射”してるかしてないかだけの差なのに、なんでですかね。

森田 (笑)確かにそうだよね。

ワッコ 例えば飲み会だったら、「男の方がたくさん食べたり飲んだりしてるから」っていう理屈が一応通るじゃないですか。でもセックスには、そういう違いはないわけで……。発射は課金制なんですか?

森田 発射課金(笑)。って、笑っちゃったけど、その捉えはかなり的を射てるんじゃないかな。お金と射精が結びついてるってことになるから、性風俗と構造が似てるよね。

清田 ワッコがホテル代を半額払おうとした時に相手男性が反発したのは、「男ぶり」を低く見積もられたような気持ちになったからかもしれないね。射精の金くらい俺に払わせろよって。

ワッコ それがわたしとしてはプレッシャーなんですよ。お金をもらってしまったら、対価として満足させなきゃいけないわけですよね? プロ並みのパフォーマンスを提供する自信なんてまったくないですし……。

森田 ホテル代を発射課金だと捉えると、そういう発想にもなるよね。これって前編で話した食事における「おごる・おごられる」問題とも、もろにリンクしてるよね。発射課金から考えていくと、「男だから」おごる、「女だから」おごられるものだとされている理由の一端が見えてくるような気がする。

清田 そっか。つまりセックスは男がやらせてもらう側であり、食事やデートはそこに至るプロセスだから、そこも男がおごるべしという発想になるってことだよね。ホテル代に対する価値観を薄めたものが、食事代になるという。

ワッコ つきつめていくとセックスに行き着くから、「おごられると気持ち悪い」って女性がいるのかも?

清田 ちょっと思ったのは、カップルの場合はホテル代もワリカンが普通じゃない? 俺は恋人と行ったホテル代はいつもワリカンだったけど、みんなはどうなんだろう。

森田 ワリカンが多いような気がする。そこで男が全額払っちゃうと“売春感”が出て気持ち悪いんじゃないかな。

清田 恋人同士だとワリカンがベースになり、それ以外では全額男持ちが基本だとすると、その違いは一体何なんだって話だよね。

ワッコ 付き合ってなくても、おごられるとやっぱり売春感があって気持ち悪いですよ。あー、あのときのホテル代、半額返したいなあ。

森田 ワッコって、ボキャブラリーは下品だけど精神は高潔だよね。

ワッコ お褒めの言葉をありがとうございます(笑)。

清田 前編中編と2回に渡って考えてきた「男女のお会計問題」ですが、おごりは発射課金ということで、我々なりのファイナルアンサーが見えてきたかな(笑)。次回はちょっと角度を変えて、カップルや夫婦間に見られる「お金の問題」を見ていきましょう。


ホテル代を支払う彼と、それを待つ居心地悪そうなワッコ

(次回は「恋愛とお金」後編をお届けします)

構成:森田雄飛
文:清田隆之・森田雄飛・ワッコ


桃山商事、ニコ生はじめたってよ!
ニコニコチャンネル
桃山商事の恋愛よももやまばなし


この連載について

初回を読む
桃山商事の恋バカ日誌

森田雄飛(桃山商事) /清田隆之(桃山商事) /ワッコ(桃山商事)

2001年の結成以来、「失恋ホスト」として1000人以上の男女から恋のお悩みやエピソードを聞き続けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」がお届けする、新感覚の恋バナ談義。普段ほとんど語れることのない恋愛の様々なテーマを毎回ひとつ取り上げ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

granat_san 「このお金は何代なんだ?」問題、確かに悩む。 6日前 replyretweetfavorite