売れない新人小説家に「恩人」が伝授した創作の極意とは?

今や「女性秘匿捜査官・原麻希シリーズ」、「新東京水上警察シリーズ」、「警視庁53教場シリーズ」、「十三階シリーズ」など、警察小説の書き手として注目を集める吉川英梨さん。彼女の異色の経歴から、作家になる秘訣や、好きなことをしながら生きるヒントを読み解きます。本が売れない新人小説家だった彼女の前にあらわれた「恩人」が伝授する創作の極意とは?(企画・聞き書き:アップルシード・エージェンシー

かつての恩人との再会

脚本家としての可能性を買ってくれていたにもかかわらず、その期待に応えられないまま、疎遠になっていた恩人。

東映のプロデューサーの土田さん。

小説家デビューしたものの、本が売れないままでいた私に、救いの手を差し伸べてくれたのも、彼だったのでした。

担当の編集者さんと初めて食事をしたとき「吉川さんはどこかで物語作りを習ったんですか」と尋ねられ、「東映の土田さんというプロデューサーの方に一から十まで全部教えて頂きました」と答えたところ「土田さん! 知ってる!」となり……再会を果たしました。

私も30歳を過ぎていましたが、土田さんも30代、テレビ朝日系ドラマ『相棒』のプロデューサーとして、バリバリのやり手になっていました。そしてデビュー作『私の結婚に関する予言38』を読んでいただき「まだまだ粗削りだけど才能がある、『相棒』の脚本に挑戦してみないか」と声をかけてくださいました。

『相棒』は、脚本家が何人もいて、新人が入り込めるのは3本ぐらい。本打ち(脚本の打ち合わせ)なども、他のテレビドラマよりも厳しいと聞きました。

それでも私は腹をくくって、かつてのような戦いを始めました。

結論から言うと、百本近いプロットを書いたにもかかわらず、採用されることはありませんでした。悔しかった。本気で全力で打ち込んで結果が出なかったのは人生初のことで、この時の挫折感は半端なかったです。もう消えていなくなりたかった(笑)

しかし、ここで土田さんから学んだことが、後に小説家として、安定して物語を産み続けることができる原動力にもなりました。

プロデューサーから学んだ物語を作る極意

土田さんから教えていただいたことの一部を少し紹介しましょう。小説でも映像でも、物語を作ることを志す人すべての参考になるはずです。

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十三階の神

吉川 英梨
双葉社
2018-07-18

この連載について

初回を読む
コギャル(?)だった私が、警察小説家になるまで—「好きなこと」を仕事にする道

吉川英梨

宝島社ラブストーリー大賞「エンタテイメント特別賞」を受賞してから10年間、小説家として活躍してきた吉川英梨さん。今や「女性秘匿捜査官・原麻希シリーズ」、「新東京水上警察シリーズ」、「警視庁53教場シリーズ」、「十三階シリーズ」など、女...もっと読む

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rtogai ミステリを志す小説家志望者、必読です。 3ヶ月前 replyretweetfavorite