逃げ場がない! 住み込みバイトの人間関係は運まかせ?

昨年までの10年間、山小屋で働いていた山ガールならぬ小屋ガールの吉玉サキさん。山小屋スタッフの人間模様や働き方、悩み、恋などをつづった1話完結のエッセイです。(毎週木曜日更新)
今回は山小屋の人間関係の話。入れ替わりの激しい山小屋メンバーの関係性は運の要素が強く、良い場合も、そうでない場合もあるといいます。そんななかで吉玉さんがつかんだ人間関係の極意とは?

山小屋は友だちができやすい!だけど……

「山小屋で働いてみたいんですけど、人間関係ってどんな感じですか?」

先日、ある若者に聞かれた。

山小屋の仕事は住み込みだ。仕事もプライベートもほぼ同じ空間で過ごすため、スタッフ同士の距離が縮まりやすい。苦楽をともにするから仲間意識が芽生えるし、友人や恋人ができやすい環境といえるだろう。

山小屋で出会った相手と結婚した人や、一生ものの親友ができた人も少なくない。私も、夫とは山小屋で出会ったし、約10年間の山小屋生活で大切な友人がたくさんできた。

……と書くと、良いことばかりに聞こえる。

だけど、正直なことを書くと、人間関係に悩んだこともたくさんある。

10年もいれば、ときには嫌いだと思う相手とも出会うし、嫌いじゃないのにうまくいかないことだってある。どんな職場でも、人間が集まればそういうものだろう。

山小屋の距離感の近さはメリットでもあるけど、同時に嫌いな人がいたとしても一緒に過ごさなければいけないというデメリットでもある。仕事が終われば顔を見なくて済む仕事と違って、住み込みは逃げ場がない。

「山小屋で働いてみたいけど、人間関係が不安で踏み出せない……」という人も、少なからずいると思う。


山小屋は年によってメンバーが入れ替わる?

山小屋はスタッフの入れ替わりが激しい。シーズンごとの契約なので、契約期間が終了すれば雇用関係はなくなる。そのため、良くも悪くも辞めやすいのだ。

私だって最初はワンシーズンだけのつもりだった。まさか10年も続けることになるとは思わなかった。

私のようにワンシーズンだけのつもりがずるずる居着いてしまったパターンは多い。逆に、長く続けるつもりで入ってきた人がワンシーズンで去っていくこともある。

来る者拒まず去る者追わず。年によっては、メンバーの半分以上が入れ替わるなんてこともある。

人が替わるから、小屋の雰囲気も年によって違う。テンションが高い年もあれば、素朴でまったりした年もある。男女比も平均年齢も、その年によって違う。

その年、どんなメンバーたちと一緒に働くことになるのか? 小屋がどんな雰囲気になるのか?

それは、行ってみないとわからない。

毎年、山の仕事が始まる前は「今年はどんな人たちがいるのかな……」とドキドキしていた。


「いじめられたらどうしよう?」
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
小屋ガール通信

吉玉サキ

第2回cakesクリエイターコンテスト受賞作! 新卒で入った会社を数ヶ月で辞めてニート状態になり、自分のことを「社会不適合者」と思っていた23歳の女性が向かった新天地は山小屋のアルバイト。それまで一度も本格的な登山をしたことのなかった...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

etozudeyoshida 📷 cakes連載中、吉玉サキさんの「 3ヶ月前 replyretweetfavorite

etozudeyoshida イラスト、描きました。よろしければ是非! 5ヶ月前 replyretweetfavorite