​デビューしたけど売れない!新人小説家の誰もが直面するツライ日々

今や「女性秘匿捜査官・原麻希シリーズ」、「新東京水上警察シリーズ」、「警視庁53教場シリーズ」、「十三階シリーズ」など、警察小説の書き手として注目を集める吉川英梨さん。彼女の異色の経歴から、作家になる秘訣や、好きなことをしながら生きるヒントを読み解きます。脚本家志望から一転、総理大臣を目指していた彼女が小説家になった理由とは?(企画・聞き書き:アップルシード・エージェンシー

文学賞で学費を稼ごうと思いつく

前回は子ども時代についてお話しましたが、ここで「総理大臣」になるために、29歳にしてテンプル大学政治学科を目指すところまで戻ります。

新しい目標が定まったのはいいものの、大学に入る学費がない。さて、どうしよう。

学費を稼ぐために思いついたのが、物語を書いて賞金をもらうことでした。ちょうどいい脚本のコンテストがなかったので、500万円の賞金が出る「宝島社ラブストーリー大賞」に小説を応募しようと狙いを定めました。

思い立ったのが応募締切の1カ月。プロットなどをまとめている時間はないと判断して、構成表だけ作り、いきなり書き始めました。フルタイムで介護の仕事をしながら夜に書くのですから、とてもきつかった。しかも大学に入るためのTOEFLの勉強もある。でも、3年ぶりに物語に向き合うのが楽しかった。インドで体験したこと、介護の現場で気付いたことなど、思いのたけを詰め込みました。

完成した後、1度だけざっと推敲して、締切の1時間前に宅急便で受付してもらいました。後から、2次選考員の方に「応募原稿とは思えない、誤字脱字だらけの作品があった」という酷評がありましたが、私のことだと思います。時間がないままの投稿でした。

介護の仕事をやめて初めて気付いたこと

宝島社ラブストーリー大賞の結果は、第1回の冒頭でご紹介した通り。

大賞ではないけれど、応募作『私の結婚に関する予言38』は、「エンタテイメント特別賞」をいただくことができました。子どもの頃はともかく、大人になってから初めて書いた小説でデビューできるなんて、今から思えば、本当に幸運だったと思います。

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十三階の神

吉川 英梨
双葉社
2018-07-18

この連載について

初回を読む
コギャル(?)だった私が、警察小説家になるまで—「好きなこと」を仕事にする道

吉川英梨

宝島社ラブストーリー大賞「エンタテイメント特別賞」を受賞してから10年間、小説家として活躍してきた吉川英梨さん。今や「女性秘匿捜査官・原麻希シリーズ」、「新東京水上警察シリーズ」、「警視庁53教場シリーズ」、「十三階シリーズ」など、女...もっと読む

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