夏料理・なつりょうり——特定の料理を指すのではなく、夏の暑さを忘れさせてくれるような涼しげな料理の総称。冷奴、そうめん、冷麦などの他、ガラスの器に氷片を敷いたり、竹の籠に盛りつけたり、食欲をそそるように工夫されたもの。
意味はわかるんですよ。
私だって、朝一番に豆腐屋で豆腐を買って、薬味をてんこ盛りにして、昼からビールをプシッとやると「夏だなあ」と思います。でも、目の前にあるのはあくまでも「冷奴」。
枝豆やそら豆は、ざる豆腐を買った時についてきた小ぶりのざるに盛ります。湯を切るそばから茹でたてアツアツを食べたい。「工夫」と言って言えないこともないけれど。やはりこれも「枝豆」であり、「そら豆」なんです。
そうめんや冷麦は、だいたいいつも氷水の中に泳がせるけど、別に「夏料理」とは思わない。茹でて、せいぜい薬味を切ったくらいで、そんな大げさな。
念のため、「春料理」「秋料理」「冬料理」はありません。夏だけ。なんでわざわざ総称しちゃったんだろう?