晩酌歳時記

第十九回・夏料理

好きなお酒はビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウィスキー、ラム、ジン、グラッパ……お酒に対しては博愛主義者の佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。この時期に歳時記をパラパラしていると、毎年のように首を傾げてしまう季語があります。

夏料理・なつりょうり—特定の料理を指すのではなく、夏の暑さを忘れさせてくれるような涼しげな料理の総称。冷奴、そうめん、冷麦などの他、ガラスの器に氷片を敷いたり、竹の籠に盛りつけたり、食欲をそそるように工夫されたもの。

 意味はわかるんですよ。
 私だって、朝一番に豆腐屋で豆腐を買って、薬味をてんこ盛りにして、昼からビールをプシッとやると「夏だなあ」と思います。でも、目の前にあるのはあくまでも「冷奴」。
 枝豆やそら豆は、ざる豆腐を買った時についてきた小ぶりのざるに盛ります。湯を切るそばから茹でたてアツアツを食べたい。「工夫」と言って言えないこともないけれど。やはりこれも「枝豆」であり、「そら豆」なんです。
 そうめんや冷麦は、だいたいいつも氷水の中に泳がせるけど、別に「夏料理」とは思わない。茹でて、せいぜい薬味を切ったくらいで、そんな大げさな。
 念のため、「春料理」「秋料理」「冬料理」はありません。夏だけ。なんでわざわざ総称しちゃったんだろう?

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ケイクス

この連載について

初回を読む
晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

sadaaki 佐藤和歌子さん @wwwac_1980 の「晩酌歳時記」では、山形の郷土料理「ダシ」というのが超絶うまそうです。日本酒、飲みたくなります。 5年以上前 replyretweetfavorite

wwwac_1980 〈告〉晩酌歳時記 更新一日遅延 詫且恥申上候 m( . _ . ;)m https://t.co/U1BHdaTHSN 5年以上前 replyretweetfavorite