続けられる仕事を作れているか?自問自答する日々

noteに『山の上のパン屋に人が集まるわけ』を公開して以来、独自の経営スタイルや働き方で注目を集める「パンと日用品の店 わざわざ」の平田はる香さん。今回は地方での仕事の話。移住した長野で自分にフィットする仕事を見つけられなかったこと。そして「わざわざ」でどのように生活と仕事を両立させた働き方を実現していったかをお話いただきます。

自分にフィットする仕事が見つからない

地方移住をしたいと考えた時に、一番気になるのが「家」と「仕事」のこと。前回まで家の話を書いてきたけれど、今回は仕事の話。都会ほど仕事を選べない地方で、少しでも仕事を産み出すことができたらと思って「わざわざ」を作ったことを書いてみたい。

これまで話して来た通り、私たちは転勤という不可抗力によって長野県に移住してきた。転勤なので夫に仕事はあったが、付随する私には仕事がない。私たちは、長野に来た時にはまだ籍を入れておらず、いずれ結婚するつもりではあったが、お互いが自立した関係を望んでいた。

だから、まず引っ越すに時に探したのは仕事。私は東京で就職情報誌を買って、とりあえず長野での短期のアルバイトの職を探して、そこから長野で就職活動をすることに決めたのだった。運良く住み込みで働けるカフェのアルバイトを見つけ受かることができ、家と仕事を同時に得て長野に引っ越して来ることができた。

休みにはハローワークに足繁く通い、前職の仕事に近いWEBデザイナーの仕事を探すも、なかなかそういった会社は見つからない。とりあえずコンピューター系の会社に入れば、そういう仕事をもらえるのではないかとコンピューターのシステム会社を探し、無事就職することができたのだ。

それから3年弱会社にお世話になり、その後はフリーランスのWEBデザイナーに戻り、東京から遠隔で仕事をもらいながら生活をしていった。
その間に私たちは一緒に住み、結婚し、子どもを授かった。

今はスタッフのワカナンがパンを焼いてくれている

一連の流れで痛感したことが一つある。この地方環境の中で自分好みの働きかたをできるケースは、かなり稀だ。当時、私が持っていたスキルはWEBデザインだったが、限られた地域の中でその専門性を求めている会社は皆無だったし、万が一見つかったとしても待遇や働き方まで好みのものである可能性は少ないと思う。地方は人の数が少ないので会社も少ないし、仕事の種類も少ない。

また、東京の会社からオーダーされたものを納品する仕事のやり方=クライアントワークは、私には合わなかった。フリーランスになればWEBの仕事を続けられるかなと思ったけれど、遠隔で仕事を依頼されるとどうしても発注と受注の関係性になってしまう。東京にいた時は、時々打ち合わせして意見を出しながらものを作れたけれど、当時はメールが主のツールだったので、メールを往復させてオーダーされる仕事は下請け業者そのものだった。クライアントのオーダー通りに納期を守って納めるだけの一方通行はストレスが凄かった。このまま人に頼まれたことだけをやっていたら、一生続けられないなと痛感したのだ。私は地方で自分にフィットする仕事を見つけられなかったのである。


わざわざで追い求めたのは持続できる仕事
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わざわざ平田の思索日記

平田はる香

長野県東御市にある「パンと日用品の店 わざわざ」。山の上の長閑なこの場所に、平田はる香さんは2009年にひとりでお店を開きました。平田さんがnoteで公開した記事「山の上のパン屋に人が集まるわけ」が大いに反響を呼び、独自の経営スタイル...もっと読む

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コメント

Labor_and わたしなりの、これ↓を模索中。 “自分が望んだ働き方=充実した暮らしと仕事の両立" 約2年前 replyretweetfavorite

nagi_chan430 自分で仕事を作り出せる人は、本当にすごいと思う。尊敬します。 > 約2年前 replyretweetfavorite

mura0306 「地方環境の中で自分好みの働きかたをできるケースは、かなり稀だ」 ほんこれ(*´ω`*) 約2年前 replyretweetfavorite

sadaaki 「わざわざ」の平田さんが、長野に移住してお店をつくりはじめるころの話。おもしろい! 約2年前 replyretweetfavorite