・「フィナステリド」が毛周期をのばす
前回連載でご紹介した柳生氏の項目で学んできたが、髪の毛は毛根にある酵素の種類によって2種類に分けられ、頭頂部は「5αリダクターゼⅡ型」の存在頻度が高いので薄毛になる部位であり、「5αリダクターゼⅡ型」の存在頻度の低い側頭部、後頭部は薄毛になりにくい。 後者が薄毛になりにくい理由について、佐藤氏は次のように語る。
「これは私見ですが、我々の祖先はかつて、『四足歩行』でした。すると、現状で私たちの側頭部、後頭部にあたる部分は『たてがみ』だったわけです。頭頂部は、後になって我々が直立歩行するようになって、紫外線から身を守るためにできたもの、と考えられます。 つまり、『5αリダクターゼⅡ型』の存在頻度の低い側頭部や後頭部の髪の毛は、生物として古くから必要な部分の髪の毛だったからこそ、『薄毛』にもなりにくい。このように私は考えています」
なお、赤道直下の国に住む人々は、紫外線から守るため頭頂部の毛髪が多く、赤道から遠いヨーロッパなどの国の人々は、頭頂部の薄毛に悩む方が多いそうだ。実際、オーストラリアに住む白人は、もともと欧州から移住してきた人々であり、赤道直下の強い紫外線に抵抗する色素をもたないため、皮膚がんになる人が非常に多いという。
それでは、AGAにはどんな薬が有効なのだろうか。
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