店で物をねだる子どもに「ダメ!」と叱るのは筋違い

スーパーやおもちゃ売り場などで、「あれ買ってこれ買って」と駄々をこねる子どもに悩まされる親は少なくありません。「ダメと言っても聞かないから困る」と嘆く親も多いですが、下田美咲さんは「そもそも、これは"ダメ!"ではなく、"ごめん!"という案件のはず」と言います。一体どういうことでしょうか?

前回、私は息子が新生児の頃から何でも丁寧に説明するようにしているという話を書いた。特に、「ダメ」と言うときには、「なぜそれをしてはいけないことなのか」をきちんと教えるようにしていて、それはなぜかというと、「なんかよく分からないけど怒鳴られた……」という体験を息子にさせたくないからだ。

それに、叱る必要がないことでうっかり叱ってしまうことがないように気を付けなくちゃ、という思いもある。世の中の親が言う「ダメ」は、よく考えると理由が分からないものが多い。

子どもってそんなにバカなの?

例えば、買い物に行った先で、子どもがあれもこれも欲しがることに対しての「ダメ」。この件について「ダメと言っても聞かないから困る」という悩みをよく聞くけれど、そもそもどうしてあれもこれも欲しがってはダメなのだろうかと考えてみると、私にはその答えがよく分からない。

「何でも与えるとワガママな子に育つから」というのが世論のようだけれど、「子どもってそんなにバカなの?」と疑問に思う。少なくとも私はそこまでバカな子どもではなかったし、そうじゃない子どもはたくさんいると思う。

となると私としては、これって本当はそんなことじゃなくて「何でもかんでも買っていたら破産する」という親側のお財布事情なんじゃないだろうか、という気がする。

だとすれば、これは「ダメ!」ではなく、「ごめん!」という案件のはず。

だって、親は子どもを一方的にこの世に招待しているわけで、子どもがこの地球上で最大限に楽しく過ごせるように協力をするべき立場だ。それなのに、欲しがっているものを買ってあげられるだけの経済力がないのであれば、そこは「ごめん」と謝るのが筋なんじゃないの?と思う。

「全部買ってあげたい気持ちは山々なのだけど、力不足で買ってあげられる数に限りがあるから、厳選してもらえると助かります…!」と相談(というか、お願い)をするべきであって、叱るなんて逆ギレじゃないか、と思う。

もしくは、買うお金はあるけれど、たとえば「お菓子売り場で子どもがあれもこれも欲しがるけれど、お菓子ばかり食べていると健康に悪いから控えさせたい」という状況があったとする。

その場合も、やっぱり相談(からのお願い)をするべきだと思う。

私だったらまず「お菓子を食べすぎると病気になっちゃうよ。病気になったら苦しい思いをするんだよ」という説明をする。

それで「死んでもいいからお菓子が食べたい」と言われてしまったら、後はもうお願いをするしかない。「あなたが死ぬと私が悲しいから、死なないように生きて欲しいの!」と。

どう生きるかは最終的には個人の自由

体に悪いと分かっててもタバコを吸い続ける判断をする大人がいるように、どう生きるかは最終的には個人の自由で、それは大人も子ども同じだと思う。大人だけが、二日酔いになってもお酒を飲んでよくて、ガンを患うリスクを着実に上げながらも「禁煙は無理」と甘えたことを言ってても許されるなんてのはおかしい。一人の人間として、死ぬことを覚悟してお菓子を食べまくる生き方を選ぶ権利を、子どもだって持っている。

だから、そこはお願いをして、愛情で折れてもらうことを狙うしかない。他人の生き様を変えるのは基本的に無理なことだけど、望みがあるとすれば「愛している人からの頼みとあっては仕方ない」という動機。それ以外にはない。

だから、息子からはすごく好かれておかなくちゃ、と思う。「あなたがそれをすると私が悲しいんだよ」という一言が効く関係性を築いておかないと、こういうお願いが成り立たないから困る。

「ちゃんと理由を説明しよう」と思って育児をしていると、叱ろうとするたびに「あれ、でも、これって何でダメなんだろう?」と、まず私自身が立ち止まって考えるタイミングが生まれるのも、説明習慣を持つことの利点の1つ。

よくよく考えてみた結果として、一般的にはダメとされていることでも「別にダメじゃないか」という答えに行き着くことがよくある。

私は、いずれ息子が言葉を話せるようになって「何でダメなの?」と訊かれた時に、必ず答えられる親でありたい。子どもの頃、その質問にちゃんと答えてもらえなかったことが何度もあったけれど(親に限らず、親戚や学校の先生など)、その度に私はすごくガッカリしたし、悲しかった。

だから、今のうちから「ダメ」と言う時には必ず説明を添える習慣にしておくことで、うっかり叱ってしまうことを防ぎたい。

それから、息子自身にも説明グセのある人になってほしい、という思いもある。仕事でも恋愛でも、何をするにしても説明グセが身についている方が成功しやすいから。

ほとんどの誤解やすれ違いは言葉足らずが原因で生まれている。だから、説明する習慣を身につけておけば多くのことは失敗しづらいし、そうすると人生から余計な苦労がゴッソリと減る。

私がいつもいつも説明をすることで、息子にはそれを当たり前のことだと考えるようになってほしくて、そうして息子自身にも説明をする習慣が身につくといいなと思っている。

自分の都合で怒っているだけでは?
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コメント

kusari_030 こういう視点は大事だよなぁ。普段も大人の都合で怒らないように気を付け… https://t.co/LcTRZk58ka 約1年前 replyretweetfavorite

tdr_touken https://t.co/qv04t5MNUa この方、多分私とはタイプが全然違うし、会っても話が弾まないだろうと思うけど、考え方が大変に割り切ってて、自分にとって何が必要か、大事か、何が幸せかとかわかってるから読んでてすごいなって思う(語彙力) 約1年前 replyretweetfavorite

aynooo0 なんかわかる。条件反射でダメって言っちゃうけど、子供がごねてるうちに何でダメだかわかんなくなる。 約1年前 replyretweetfavorite

shimodamisaki 1位だ🏆🏆🏆 ありがとうー! 約1年前 replyretweetfavorite