おいしいゼリーや寒天はゆっくり冷やしてつくる

食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。13回目のテーマは『デザート』、『ほうじ茶のゼリー』と『寒天とあん餅』。どちらも簡単につくれるデザートですが、今回の記事では滑らかで弾力のある食感が楽しめるつくり方をご紹介します。

 まだまだ暑い日が続くので、デザートにさっぱりとしたゼリーはいかがでしょうか。甘いものは興味がない、という方もゼリーは料理とも深く関係しているので、知っておいて損はありません。

 ゼリーは科学用語ではゲルといい「網目状の固体が液体を抱え込んだ状態」の食べ物です。ゼリー状にするための材料を「ゲル化剤」と呼びます。
 ゼラチンは最も一般的なゲル化剤。原料は牛や豚の骨や皮から抽出したコラーゲンというタンパク質です。
 コラーゲンはらせん状の分子が三重に絡み合った構造をしています。熱を加えるとほどけますが、分子が絡み合う特性は残ったままなので、再び冷やすと元の構造に戻ろうとします。その時、周りの水分を取り込んで固まるので、ゼリー状になるのです。

 まず、さっぱりとしたほうじ茶のゼリーをつくりながら、ゼラチンの特性を理解しましょう。


ほうじ茶のゼリー

材料(4人前)

ほうじ茶   300cc (今回はペットボトル飲料を使用)
グラニュー糖 20g
ゼラチン   5g
黒蜜     好みで

 左側は一般的な粉ゼラチン、右側が板ゼラチンです。プロは扱いやすい板ゼラチンを使いますが、最近の粉ゼラチンは顆粒状に加工され、水に戻しておく必要がなく、使いやすくなりました。
 真ん中にあるのは粉寒天。こちらはゼラチンとは違って、植物性で多糖類の一種。寒天の性質については後ほど別に説明します。


1.ほうじ茶300ccとグラニュー糖20gを小鍋に入れて、強火にかける。まわりがふつふつと沸いてきたら(85℃)火を止める。

*ほうじ茶の種類
 今回はペットボトルのほうじ茶を使いましたが、自分でほうじ茶を煎れるのがやはりベター。その場合は100℃で抽出し、漉したお茶をそのまま使います。


2.ゼラチン5gを加えて、木べらかスプーンでかき混ぜて溶かす。

*ゼラチンの量
 パッケージには一袋に対して液体200ccが目安と書かれていることが多いようです。
 最初に説明した通り、ゼリーはゼラチンのらせんが水分を抱え込むので、ゼラチンの量が少なすぎると固まらず、多すぎるとバネを噛んでいるように硬くなります。その適切な量を求める万能の方程式はあるのでしょうか?
 残念ながらケースバイケース。万能の割合はありません。ゼラチンの凝固力は酸度や塩分によっても影響を受けるので、適切な量は使う液体によって異なるからです。ただ、自分は型から抜くレシピはゼラチン5gに対して液体200~250cc、型から抜かない場合は300ccをとりあえずの目安にしています。あとは求める食感に応じて試作をして、調節しましょう。

 ゼラチンを加えたら加熱はしないこと。最初に述べたようにゼラチンの主成分はたんぱく質なので、加熱を続けると変性してしまい、凝固力が弱くなってしまうからです。ゼラチンは50℃以上で溶けるので火を止めてから、落ち着いて溶かしましょう。


3.型に流す。

*粗熱をとってから冷蔵庫に

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おいしい」をつくる料理の新常識

樋口直哉

食の博識、樋口直哉さん(Travelingfoodlab.)が、味噌汁、ハンバーグ、チャーハンなどの定番メニューを、家庭でいちばんおいしく作る方法を紹介します。どういう理由でおいしくなるのか、なぜこの工程が必要なのかを徹底的に紹介し、...もっと読む

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コメント

ikb ほうじ茶のゼリーも、あんみつ寒天も、涙が出そうなほど美味しそう……! 12ヶ月前 replyretweetfavorite

naoya_foodlab cakes連載の更新です。今日のテーマはゼリー。ペットボトルのお茶でゼリーを作ってフルーツとあわせています。ゼラチン、砂糖、お茶という3つの材料でできる簡単なジュレです。https://t.co/GMlz7sCRQA 12ヶ月前 replyretweetfavorite