菅付雅信
【
第7回】広告が広告でなくなる世界
これから広告は広告でなくなる? 人々がイメージ産業に不信感を抱き、広告費がのきなみ下がっている中で、広告は変化を求められています。これから広告はどうなっていくのでしょうか? 好評発売中の『中身化する社会』(星海社新書)から、第1章・第2章をcakesで連載していきます。別途掲載の著者・菅付雅信さんのインタビューとご一緒にどうぞ!
先進国の人々は広告を信じていない
つぎに広告業界の売り上げを見る前に、ひとつ興味深い調査を紹介したい。
調査会社ニールセンが2011年9月に世界56カ国、計2万8000人のオンライン消費者を対象に実施した広告の信頼度調査で、92%の人が「知人の推薦をもっとも信頼している」という結果が出たのだ。
2007年度の調査では64%だったのが、たった4年で28%も増加している。
2007年の調査と比較すると、テレビ広告は62%から47%へ、新聞広告は61%から41%へ、雑誌広告は59%から47%へ、さらに企業のブランド・サイトは70%から58%へ落ちている。
さらに地域別で見てみると、テレビ広告を信頼していると答えたのは、アジア環太平洋地域が47%であるのに対して、北米は40%、ヨーロッパは30%しかなく、新聞広告はアジア52%、北米47%、ヨーロッパ28%、雑誌広告はアジア54%、北米47%、ヨーロッパ28%と、特にヨーロッパにおける広告への信頼度の低さは顕著となっている。
もはや欧米先進国では過半数以上の人が、ヨーロッパでは7割近くの人が、広告を信頼していないというのがわかる。
つまり、広告は噓であると。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
2219
false
この連載について
菅付雅信
生きるうえで大事なことが、変わりました。ネットの進化、そしてソーシャルメディアの爆発的普及によって、テレビや広告などによるイメージ操作は、ほぼ効かなくなったのです。それは、ウソや誇張はすぐに検証され、バレてしまうため。すべての「中身」...もっと読む
著者プロフィール
編集者。著書に『東京の編集』『編集天国』『はじめての編集』。朝日出版社アイデアインク・シリーズも手がけ、津田大介、グリーンズ、Chim↑Pom、園子温、君島佐和子を刊行。連載は『WWD JAPAN』『コマーシャルフォト』。下北沢B&Bで「編集スパルタ塾」も開講中。編集者。著書に『東京の編集』『編集天国』『はじめての編集』。朝日出版社アイデアインク・シリーズも手がけ、津田大介、グリーンズ、Chim↑Pom、園子温、君島佐和子を刊行。『WWD JAPAN』『コマーシャルフォト』で連載。『中身化する社会』(星海社新書)発売中。
ブログ:sugatsuke.com
Twitter:@MASAMEGURO