前回、巷で喧伝される新人賞のノウハウについて物申すようなことを書いたら、思いの外反響があった。そこで今回は拡大版として、新人賞の事務局が何を求めているのか、ということと、世に溢れる誤解について考えてみることにする。
◆新人賞に「傾向と対策」はない
ミステリの新人賞に限らず、新潮社が主催する新人賞は、最終候補に残ると、その時点で担当が付く。「最終選考に残りました」、という連絡をするのは、大抵は予選でその作品を最も強く推した人間である。受賞すればそのまま担当となり、残念ながら受賞を逃しても、可能なら一度会って、色々と相談に乗ったり、「来年もまた出して下さいね」という話をするのが通例だ。
そんなふうに、デビュー前の人に沢山会って来たが、そこで驚いたのは、
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