3年前にロサンゼルスに留学し、女優になるために「インプロ」や「スタンドアップコメディ」というジャンルで試行錯誤してきた私は、1年ほど前にプラスサイズモデルとしての活動もはじめました。
それまで、私は自己肯定感の低い太った人として生きていました。13歳のときに不登校になり、急激に太り、家族や親戚、友達からも太っているというレッテルを貼られ、自分は太っているんだと思いながら生きてきた私。
大きなお尻と筋肉質な脚がコンプレックスで、どうしたら華奢な細い女の子の脚になれるのかと悩む毎日でした。ヒラヒラとしたスカートを履いて、なるべく脚の形が見えないようにすることにいつも気を使っていました。本当はスキニージーンズを履いてみたかったのですが、人の目が怖くて履いたことはありませんでした。
一度だけお芝居の衣装でスキニージーンズを履いたことがありましたが、それを見た友人は、笑いながら「なんで今日そんな面白い格好してるの?」と聞いてくる始末。すごく恥ずかしくなって、とても傷つきましたが、笑って返しました。そんな面白い格好をしている私が悪いと落ち込んだのをいまでも覚えています。
アメリカに来たら、世界がひっくり返った
それがアメリカに来ると、日本と全く違いました。脚が太くても、お尻が大きくても、身体の線が出る服を着ている人をたくさん見ました。日本ではズボンやスカートの下に履くレギンスもアメリカではズボンとして1枚で履きます。
でも、私はなかなか日本でのトラウマを忘れることができず、アメリカに来て数年たってもまだ体にぴったりとしたズボンは履けないままでした。
そんな私を変えたのは、何人かの男性から私の脚を褒められたことでした。
「すごくいい脚だからレギンスとか履いたらセクシーなのに」
そう言われて、一念発起して、レギンスを買いに行きました。試着室でブルーのレギンスを着てみると、アメリカンなセクシーな自分が鏡の中にいました。
すぐに気に入って、そのレギンスはヘビロテの一着になりました。
その後、そのレギンスを履いているときに声をかけられることが増えました。男性からも、ときには女性からも。ある女性から「あなたそのレギンスとても似合ってるね!あなたみたいな脚になるのが私の理想なの」と言われたこともありました。
こんなに自分の脚が好きになれることは人生で一度もありませんでした。私の世界がひっくり返ったようでした。
アメリカではカーヴィーと呼ばれるボンキュッボンな体型に人気が出てきています。セレブはシリコンをおしりや太ももに入れて大きくして、砂時計型の身体の形を強調するほど。ですから、お尻の大きい、太ももの太い私の体もここでは受け入れられるようでした。
モデルでもなんでもなかったけれど
プラスサイズモデルをはじめる直接のきっかけは、友達からの紹介でした。友達はプラスサイズモデルをやったほうがいいと力説してくれましたが、モデルのモの字とも無縁だった私はさっぱり何をやっていいかわかりませんでした。そこで彼が私を紹介してくれたのはプラスサイズモデルを扱ったYouTubeチャンネルの「All Good Things」でした。
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