体重80キロの私がロスでモデルをしている理由

身長163センチ、体重80キロ。現在ロサンゼルスで「プラスサイズモデル」として活躍している藤井美穂さんの身長と体重です。プラスサイズモデルとは、いわゆるぽっちゃりモデル。日本では「デブ」と呼ばれて負け組の人生を送っていた藤井さんが、アメリカで試行錯誤し、ありのままの自分の身体を愛せるようになるまでの道のりを綴ります。

はじめまして。ロサンゼルスで女優とモデルをしている藤井美穂です。

女優業を長くやっているので、女優の肩書きが前に来ますが、最近はモデル業のほうで名前が上がることの方が多くなりました。

身長163センチ、体重80キロの私がモデルをやってますと言うと、怪訝な顔をする人もいますが、私がやっているのは「プラスサイズモデル」です。いわゆるぽっちゃりモデルというやつです。

私のインスタのフォロワーは6万人

プラスサイズモデルという言葉、日本ではまだ耳にしたことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか? プラスサイズモデルとはアメリカ、ヨーロッパを中心に人気が出ているモデルの新たなジャンルです。アメリカでは一般女性の平均サイズであるLL~3Lサイズのモデルたちのことを指します。洋服の購買者からしてみれば、自分の体型とかけ離れた細いモデルよりも、リアルな体型のモデルのほうが親しみやすいことから、徐々に人気に火が着き、いまやVOGUEなどの大手ファッション誌やファッションショーなどさまざまなメディアで活躍しています。

私は1年前からプラスサイズモデルとしてブランドのモデルをしたり、ランウェイを歩いています。一番大きなお仕事はインフルーエンサーとしての活動です。ありがたいことにいくつかのプラスサイズブランドと契約し、インスタグラムでは6万人ほどの方にフォローしていただいています。

日本の感覚だと「出しすぎでしょ?ありえない!」という写真も多いかと思います(笑)。でも私はこれらの写真に、「なんでぽっちゃりだったら隠さないといけないんだ」というメッセージを込めています。

女の子は自分が好きな服を着ていい。誰も人の見た目をとやかく言う権利なんてない。服装は自己満足の集大成です。私はそう思って、自分がかわいいと思う服を好きなように着ています。それを投稿してるのが私のインスタグラムです。

アメリカでプラスサイズモデルが注目される理由

私の住むアメリカでは、なぜいまそこまでプラスサイズモデルが注目されているのでしょうか? 先ほどお話ししたように購買者により近いということに加えて、「細い=美しい」という価値観に警鐘を鳴らす面もあると考えています。

アメリカでは200人に1人の割合で女性が摂食障害を患っており、深刻な社会問題のひとつとなっています(日本でも摂食障害を抱えている女性は2万人以上いるとされています)。

この問題の背景にあるのが、細すぎるモデルや女優などのメディア露出です。非現実的な女性の体型が美しいという間違った考えが女性たちを無茶なダイエットに走らせ、自らの体型を卑下し、自己肯定感を低下させてしまっています。

実はモデル業界でも摂食障害は問題になっていて、2016年にブラジルのスーパーモデルのアナ・カロリーナ・レストンさんが摂食障害を患って死にいたった事件を機に、ヨーロッパのファッションモデル業界の体制が大きく見直されました。フランスでは、極端に痩せているモデルの活動を禁止するために、健康体であることを証明する医師の診断書の提出が義務付けられました。

このような背景があり、いま、アメリカでは自分らしい美しさを大切にする「ボディポジティブ」というコンセプトのプラスサイズモデルが爆発的に支持を広げています。

ハリウッドに食い込んでやろうともがく日々

さて、私はプラスサイズモデルであると同時に、女優でもあります。女優としては、コメディを中心に、漫談のスタンドアップコメディや「インプロバイザー」と呼ばれる即興劇をやっています。

最近では、単なる女優業だけにとどまらず、脚本、監督、主演で、短編映画をつくりました。

ハリウッドには私のような見た目の役の需要はほとんどないので、脚本も監督も女優も何でもやるマンとして、ハリウッドになんとか食い込んでやろうと、日々もがいています。

ここまで読んでくださった方は、私のことを「自分のことが大好きで、自信に溢れた人」と思うかもしれません。でも、私は最初から自分に自信を持っていたわけではありません。日本では自分の体型に全く自信が持てず、ダイエットにトライしては挫折し、とにかく体型を隠す服を着る毎日でした。

アメリカに来てからプラスサイズモデルの存在を知り、インスタグラムに自らの写真を投稿しはじめたのをきっかけに、いまの自信につなげていったのです。

いまでは自分らしい自分を好きになれるようになりました。アメリカではこの文化が大きく広がっていて、多くの女性たちがこのプラスサイズモデルたちの活躍に勇気をもらっています。このボディポジティブの文化を日本でも浸透させたい、というのがいまの私の目標です。

このcakesの連載では、私が日本でデブと呼ばれていた頃のことや、プラスサイズモデルになるまでの道のりを綴っていこうと思います。ぜひお付き合いください。

次回「日本ではデブと呼ばれ、負け組の人生だった」は8/29(水)公開予定。お楽しみに!

この連載について

体重80キロのファッションモデル

藤井美穂

身長163センチ、体重80キロ。現在ロサンゼルスで「プラスサイズモデル」として活躍している藤井美穂さんの身長と体重です。プラスサイズモデルとは、いわゆるぽっちゃりモデル。日本では「デブ」と呼ばれて負け組の人生を送っていた藤井さんが、ア...もっと読む

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コメント

Muxia_Yuenan ちょといい人ぶる言い方をしますけど良い人生を送ってほしいですね、この方には。 約24時間前 replyretweetfavorite

saito_d ぜひ日本風のメイクで拝みたい 1日前 replyretweetfavorite

hirokichi90 https://t.co/04JXuDXh9g 頑張ってるし頑張ってほしいね 4日前 replyretweetfavorite

buvery これは米国では普通の体型で、米国でいうデブじゃないから、全然オッケーだと思う。米国のデブは、普通の日本人女性の2倍サイズ、100キロを越えてからだね。 https://t.co/UPQJXN7iLW 4日前 replyretweetfavorite