世の中にたくさんある男女の嫉妬の感情を、自分の体を通して歌にする

シンガーソングライターとして今の時代を歌う名曲を発表し、TV、映画、舞台でも活躍、初のエッセイ集『百年後』を上梓し書き手としても注目される前野健太さん。中原中也賞を最年少18歳で受賞、エッセイ集の刊行、アイドルへの歌詞提供等、幅広く活躍をする詩人の文月悠光さん。ふたりにとって、詩とは、創作とは、恋愛とは、時代とは、生きるとは。今回は、現実世界と作品の間、言葉にならないことを描くこと。

左から、前野健太、文月悠光、司会の北沢夏音

現実世界でうまくいかなかったことを作品の中で再演する

前野 「恋はすべてどこまでも片思いだ」という今日のテーマにやっと触れますけど……文月さんは感情をきちんとその人に伝えている感じがするんです。身近な人のことを全然書いていないとおっしゃっていたけれど、身近な人に、すごく感情を投影しているんじゃないかなと。

文月 「伝えている」というのは意外でした。作品の上では、相手と向き合うために書いているので、「ここで流してどうする」と真剣になるのかもしれませんね。

 現実世界でうまくいかなかったことを作品の中で再演しようと思って書いてるんです。「こうだったら良いのに」と憧れている。だから、詩集『わたしたちの猫』ができあがった時に、まるですごくきれいな恋愛をしたみたいだなと(笑)。

前野 うんうん。

文月 恋愛って、自分の実生活において、特に優先順位が高いほうではなかった。だから、編集者の方から恋愛についての詩を書いてくださいと言われた時は戸惑いました。当時はまだ恋愛詩と呼ばれるものに苦手意識があったんです。前野さんはラブソングをつくってくださいという依頼があったら、どうしますか。嬉々としてつくりますか?

前野 まあ、まず女性にメールを打ちますよね。

文月 そこから?

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文月悠光、最新詩集「恋はすべてどこまでも片思いだ。――雨宮まみ」

わたしたちの猫

文月 悠光
ナナロク社
2016-10-31

この連載について

初回を読む
男と女はわかり合えない。だから歌があり、詩がある。

前野健太 /文月悠光

シンガーソングライターとして今の時代を歌う名曲を発表し、TV、映画、舞台でも活躍、初のエッセイ集『百年後』を上梓し書き手としても注目される前野健太さん。中原中也賞を最年少18歳で受賞、エッセイ集の刊行、アイドルへの歌詞提供等、幅広く活...もっと読む

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