ラブソングは好きだけど、「恋」は好きじゃない

シンガーソングライターとして今の時代を歌う名曲を発表し、TV、映画、舞台でも活躍、初のエッセイ集『百年後』を上梓し書き手としても注目される前野健太さん。中原中也賞を最年少18歳で受賞、エッセイ集の刊行、アイドルへの歌詞提供等、幅広く活躍をする詩人の文月悠光さん。ふたりにとって、詩とは、創作とは、恋愛とは、時代とは、生きるとは。今回は、エッセイを書くことについて、そして、なぜラブソングを歌うのか。

左から、前野健太、文月悠光、司会の北沢夏音

上手な言い訳を考えながらエッセイを書く

前野 文月さんの詩ってとんでもなく格好良いんですよ、堂々としていて。俺、だいたい言い訳のエッセイを書いてしまうから……。

文月 でもエッセイって言い訳になりますよね。私も『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)は、言い訳にならないように言い訳をしなきゃって、上手な言い訳を考えながら書いていました。

前野 14歳の文月さんの詩を読むと、本当に格好良い。恥ずかしいですよ、俺。かつて『SPA!』(扶桑社)のインタビューの導入で、中原中也の真似して親から金借りて、アルバム出しました! みたいなことを俺はやってたけど……全然違うじゃないですか!

 特に痺れたのが、『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)の中の「産声を生む」という詩。「紙の上で私は産声をあげ続けている」と、長い散文を括弧()で囲んでいるんですが、この括弧の使い方が格好良いですよね。

文月 『現代詩手帖』(思潮社)の投稿欄を読みながら、こういう書き方があるのかと、先輩たちの書き方を盗んでいました。ひとりの語り手が語るよりも、たくさんの登場人物の声を重ねたい意識が強かったので、たくさんのレイヤーを用意する書き方をしていましたね。

前野 ……14歳で。俺、下手したらまだおねしょしてましたよ(笑)。なんにもしてなかったなぁ、14歳。

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前野健太
スタンド・ブックス
2017-03-03

この連載について

初回を読む
男と女はわかり合えない。だから歌があり、詩がある。

前野健太 /文月悠光

シンガーソングライターとして今の時代を歌う名曲を発表し、TV、映画、舞台でも活躍、初のエッセイ集『百年後』を上梓し書き手としても注目される前野健太さん。中原中也賞を最年少18歳で受賞、エッセイ集の刊行、アイドルへの歌詞提供等、幅広く活...もっと読む

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sionsuzukaze 文月さんが対談で攻めてる!(ように見えるだけ) 約2年前 replyretweetfavorite

taizona 男と女はわかり合えない。だから歌があり、詩がある。 | 前野健太/文月悠光 | cakes https://t.co/OJpuBJfmHA https://t.co/YPUOPCOlLL 約2年前 replyretweetfavorite