第2回】LCC低価格のカラクリと上手な利用術

低価格にはそれなりの理由がある。航空機の高稼働、高い搭乗率、社員のマルチタスク化など、LCCが生み出したビジネスモデルは合理的かつ有機的に絡み合っている。そのカラクリを徹底解剖。また、賢い利用術「基礎編」「裏ワザ編」も併せて紹介する。

低価格にはワケがある
LCCのカラクリを解剖

座席を詰め込む

 LCCでは1機でなるべく多くの旅客を運ぶため、機内に座席をギュウギュウに詰め込んでいる。例えば、同じエアバスA320の機体でも全日本空輸は166席のところ、ピーチ・アビエーションは180席と座席数が8%多い。

 1度に運ぶ座席数が多いということは、1座席当たりのコストも低く抑えられる。ただし、そのぶん乗り心地は悪い。すし詰め状態で、足元は狭く、足を組むなんて状態にはないし、リクライニングもほんの少ししか倒れない。

 しかし、日本国内の移動であれば、飛行時間はせいぜい1~3時間。多くの旅客にとって我慢の許容範囲だろう。外国では立ち席を検討しているLCCもあるほどである。

航空機の高稼働

 航空機が収益を生み出すのは、旅客を乗せて空を飛んでいる間だけだ。空港に駐機している間は、1円もお金を生み出さないため、LCCは航空機の高稼働を目指す。

 具体的には空港での折り返し時間を短縮することである。

 一般的に国内線であれば、レガシーキャリアが40分で折り返すところをLCCは25分で折り返す。その結果、1日当たりの航空機の稼働時間はレガシーが7時間なのに対して、LCCは12時間と5時間も長い。

 折り返し時間を短くするため、LCCはさまざまな工夫をしている。乗客を前後二つの搭乗口から搭乗させたり、着陸前から客室乗務員がゴミを回収するのもそのためだ。食事や預け入れ荷物の有料化は、機内清掃や荷物の積み込み作業の時間短縮にもつながっているのだ。また自由席にするのは、席を探す時間が省け、着席も早くなるためである。

 レガシーキャリアなら、多少であれば遅刻をしても空港でアナウンスを流したり、乗客を探してくれるが、LCCにはこうした行動はまずない。時間を守れない客のほうが悪いとばかりに、さっさと飛び立つ。チェックイン時間の締め切りも、国内線ではレガシーの15分前に対してLCCは30分前だ。タイム・イズ・マネーなのである。

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