育毛シャンプー、育毛シャンプー、ヘッドスパは、薄毛対策の効果が薄い

「ムーギーさん、男性ホルモンのテストステロンがDHTとなり、薄毛の原因となっているのです」と語るのは、我が国を代表する毛髪の専門家であり、紀尾井町クリニック院長である、柳生邦良氏だ。
柳生氏に、知っているようで実は知らない、「薄毛対処」の心得について話を聞いた。

「気休めの産毛」に大金をはたいてはいけない

健康長寿に加えて、いつまでも若々しくありたい、というのは、多くの人にとって普遍的な願いではなかろうか。

「見た目」の若々しさを決める一大要因は「髪の毛」である。聞くところによれば、ギリシア・ローマ時代の昔から私たち人間は薄毛に悩み、いろいろな対策がとられてきたという。2013年にリーブ21が15歳以上の男女4800人を対象に行った調査によると、薄毛を気にしている人は約38%。3人に1人以上の人々が、髪について、何かしら気にしているのである。

この問題は、別に気にしなければそれでいい話だし、一部の人気タレントのように、薄毛をテコにその分野で成功する人もいるのだが、人の悩みにつけこんで、効果のない高額商品やサービスが多いのも、この分野の特徴だろう。なお、薄毛=男性の悩み、というイメージがあるかもしれないが、今の時代において、薄毛は女性にも他人事ではない。共に「薄毛治療」の極意を学び、毛と効果と財布が薄くなる、無駄遣いをしないようにしよう。

【専門家が簡単解説!「薄毛」の仕組み】

・「薄毛」になるのは、前頭部から頭頂部の髪の毛

まずはじめに、なぜそもそも「薄毛」になるのだろうか。紀尾井町クリニック院長の柳やぎゅうくによし生邦良氏によれば、次のような仕組みだという。「我々の髪の毛には2種類あり、毛の根元に含まれる5αリダクターゼという酵素の種類によって『Ⅰ型』と『Ⅱ型』に分かれます。後者が男性型症に関わる髪の毛です。側頭部から後頭部の髪の毛は『Ⅰ型』のみ、前頭部から頭頂部には『Ⅰ型』と『Ⅱ型』それぞれの5αリダクターゼという酵素をもつ髪の毛が混在しています。

男性型脱毛症(AGA)になると、前頭部から頭頂部が薄くなっていき、側頭部・頭頂部の髪の毛はふさふさのままのことが多いのは、前頭部から頭頂部などⅡ型リダクターゼの髪の毛が生えている領域だからです。

なお、女性の薄毛は男性とほぼ同じメカニズムから生じる場合もありますが、原因の多くは内分泌ホルモンの異常にあります。たとえば、

・各種の内分泌ホルモン異常 ・女性ホルモンの乱れ ・ダイエットなどの栄養不良

などの複合的な要因が引き金になっているのです。女性の場合は、男性のように頭頂部が露出するほど薄くなっていく人は比較的少ない傾向にあります。それには、アロマターゼなどの酵素が影響をおよぼしているといわれています。女性は髪がムシ食い状に透けていく方が多いですね」

そもそも髪の毛には2種類ある、ということ自体が初耳だった読者の方も多いことだろう。では、この2種類の毛髪は、一体何が違うのだろうか。柳生氏曰く、「『Ⅱ型』の5αリダクターゼという酵素をもつ髪の毛は、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)を生成し、毛根を弱める働きをもっています」というのだ。

DHTとは、堀江氏の項目で登場した「テストステロン」から変化した、活性の強い男性ホルモンの一種である。なお男性ホルモンは、男性だけでなく、女性にも少量は分泌されている誰しもがもっているものだという。

「まず、男性ホルモンの一種、テストステロンが、Ⅱ型の『5αリダクターゼ』という酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)という物質に変換されます。そのDHTが、毛髪の生成に関係する『アンドロゲン』というホルモンの受容体(アンドロゲンレセプター)にくっつく。 すると毛周期が短くなってしまうのです」DHTには毛髪の元となる細胞(毛母細胞)の働きを低下させ、髪を細くさせる作用があるのです」

・「薄毛」は目に見えないだけ—髪の毛の総本数は変わらない

ちなみに、柳生氏から伺った一連の話で私が驚いたのは、「薄毛は、髪の毛が『目に見えなくなっている』だけであって、なくなっているわけではない」うことである。

「薄毛になっても、毛髪の総本数は生涯変わりません。アジア人の「太毛」は70から80ミクロンの太さで、これがいわゆる目に見える髪の毛です。対して、DHTが作用すると、太さは30ミクロン以下の「産毛」になってしまい、目には見えなくなります」

これを男性型脱毛症AGA(AndrogeneticAlopecia)といいます。アニメ、サザエさんの波平さんのように、いわゆる代表的な薄毛状態の方であっても、一応産毛は最初から同じ本数だけ生えているとは何だかうれしい発見ではないか。

ここまでのところで「薄毛」になるメカニズムは理解できた。しかし、新陳代謝で「毛が抜ける」ことは日常で行っていることであるにもかかわらず、なぜ、「薄毛」になってしまうのだろうか。その理由は柳生氏によると次の通りである。

・毛髪の成長期を短縮させるAGA

「毛には『毛周期』という成長のサイクルがあります。そして頭皮の下に埋まった毛の部分には、再生の元になる幹細胞があり、さらには先の毛頭部に、細胞分裂を繰り返す毛母細胞と、毛母細胞にさまざまな成長因子の信号を送る毛乳頭があり、これら相互の働きによって毛がのびていきます」

しかし、どんなに丈夫な毛髪であっても、一生のび続けることはできない。毛の一生には成長期(3?7年間)、退行期(2?3週間)、休止期(3?4カ月)、替毛期(数週間?数カ月)の四つの時期があり、毎日約100本程度は抜け替わっていることになる。この程度であれば、誰にでも見られる生理現象の範囲内だ。

しかしAGAになると、成長期の期間が短くなり、休止期の毛髪の占める割合が増える。こうなると、細くて短い毛の状態で成長期が止まり、次の毛が生えてくるまでしばらく期間があいてしまうのである。 できることなら、「目に見える」毛髪が豊かな状態で人生を過ごしたいものだが、柳生氏によればAGAにより薄毛になるか否かは、食習慣や喫煙習慣などといった後天的要素のみならず、遺伝の影響も大きいそうだ。

薄毛の分布や、脱毛がはじまる年齢までも、我々の遺伝情報に組み込まれていると聞く。薄毛も、本人が気にしなければまったく問題はないのだが、仮に対策を施される場合は、その治療法は主に二つ。「育毛剤」の使用と柳生氏の専門とする「自毛植毛」である。それでは、いつかはお世話になるかもしれない、正しい「薄毛治療」の知識を共に身につけていこう。

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meron1125   なん・・・だと・・・? って思… https://t.co/oK8PmMsouh 約2年前 replyretweetfavorite